39歳大学講師が結婚のために「捨てたもの」 村上春樹のような「いい返し」は要らない

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「相手に求める条件を1つだけ決めておきなさい」と言われたらあなたはどうしますか?(イラスト:堀江篤史)

話し合いと譲り合いは不可欠だ

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寿退社という言葉を耳にしなくなって久しい。それだけ共働きが当たり前になっているのだろう。しかし、「結婚してどこに住むのか」「家事分担はどうするのか」という課題がなくなったわけではない。夫婦で働き続けるためには話し合いと譲り合いは不可欠だ。

筆者の場合は、4年前に結婚して愛知県蒲郡市に引っ越した。独身時代は東京都杉並区に住んでいた。いまでも顧客である出版社のすべてと取材先の多くは東京にある。蒲郡市に引っ越した理由は、隣接する西尾市で家業を継いでいる妻の通勤を優先したからだ。

東京のマンションには月に10日ほど滞在し、打ち合わせと取材をまとめて行っている。豊橋駅経由で在来線と新幹線を乗り継いで東京と蒲郡を行き来する出稼ぎ生活だ。往復が面倒臭くないと言えばウソになる。

しかし、住む場所を妻の都合に合わせたことで、彼女の体調や機嫌はいつも良い。家事の8割は妻がやってくれている。筆者が東京に行く前日や帰って来た日はおかずが1品多い気がする。

東京と愛知の2つの部屋の家賃や生活費は夫婦で折半だ。JR東海に依存し過ぎることに不安がないわけではないが、今のところは意外と快適に暮らせている。

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