「喋りすぎて」結婚できない男に訪れた良縁

「家族同士が惹かれ合う」という運命もある

奥手だった男性が、意外な結婚に突き進んだ経緯とは?(イラスト:堀江篤史)

名古屋の老舗チェーン店「山本屋本店」に来ている。味噌煮込みうどんで有名な店だが、おつまみも美味しくて、価格帯は良心的。店内は明るく広々とし、接客もちゃんとしている。もちろん、席の予約もできる。飲みながら話を聞いてメモするのに便利ですよ、と名古屋在住の親切な友人が教えてくれた。以来、名古屋でのインタビュー取材で愛用している。

愛知県内のインフラ関連会社で働く大島亮平さん(仮名、48歳)と会ったのもその「名古屋駅前店」だった。大島さんはお酒もいける口らしい。うどん以外の一品料理をほぼすべて注文して、ゆっくり飲みながら話を聞くことにした。

生まれも育ちも名古屋で、県内の優良企業に就職した亮平さん。40歳前後の5年間ほどは県内の「遠隔地」にある出向先で忙しく働いていたため、出会いのチャンスが少なかったと振り返る。20代30代はどうしていたのだろうか。

「25歳の時に父が亡くなり、祖母と母、姉から『わが家はお前が継げ』と言われました。兄は結婚して東京で暮らしていたので、私が大島家の跡継ぎに指名されたのです。家業はすでに廃業していましたが、財産管理や親戚付き合いなどは私の役割になりました。会社の仕事と家のことでバタバタしていて結婚には目が向きませんでした。恋愛にはおくてなものですから……」

10年間も「気になる同僚」がいたものの……

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親の死や介護が原因で結婚が遅くなる人は少なくない。亮平さんの場合は、「おくて」という別の理由もあった。好きな人がいなかったわけではない。10年間も気になり続けていた同僚がいた。

「4歳年下の女性です。ときどき食事するぐらいの関係でしたが、いいようにあしらわれていました。結局、私と付き合うつもりはなかったようですね。その後、お見合いをして結婚したそうです。気づいたら30代が終わっていました。いま考えると、なぜあの人にこだわっていたのか不思議です」

次ページ43歳の時、亮平さんにチャンスが訪れる
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