家庭養護が必要な子と里親の知られざる現実

児童養護施設などで暮らす子が4万6000人

養子縁組と違い、法的な親子関係はない「養育里親」。その現実とは?(写真:わたなべ りょう / PIXTA)

「私たちには子どもがいないけれど、自分たちの老後だけを考えるのはむなしい。未来のために何かしたい、子どもに関わりたい」

前回記事で登場してくれた晩婚さんの言葉が耳に残っている。夫婦とは何か、大人になるとはどういうことなのか。かつては結婚すれば子どもを産み育てるのが当たり前とされていたが、未婚化・晩婚化が進んだ現在では子どもを持たないまま年齢を重ねていく人は少なくない。筆者もその一人だ。

しかし、血のつながりはなくても、家族に子どもを迎えて、育てることはできる。その過程で結婚の意義が深まるかもしれない。上述の晩婚さん夫婦は「養育里親になる」という選択肢を模索している。

養育里親とは何か?

この連載の過去記事はこちら

養育里親(以下、里親)とは、さまざまな理由から家庭で暮らすことができず、乳児院や児童養護施設などで暮らす子どもたちを自宅に預かり、家族の一員として育てる人たちだ。養子縁組とは違い、子どもとの法的な親子関係はない。

正直に言えば、筆者は里親という言葉を「民生委員」と同じぐらい遠く感じていた。どこかの偉い人たちがやっている社会奉仕活動、という感覚だ。

筆者の知り合いに里親経験者はいない。本気で里親を目指し、研修を受けている人に会ったのも前回の晩婚さんインタビューが初めてだった。良い機会なので里親についてもう少し知っておきたいと思った。

東大阪市に本部を置くキーアセットは、2010年に設立され、現在は東京都、大阪府、川崎市、堺市の4つの自治体から里親支援機関事業を受託している。里親のリクルート、アセスメント(評価)、研修、そして里親家庭への訪問支援までを包括的に提供できる数少ないNPO法人だ。代表の渡邊守さん(45歳)に会いに行った。

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