日本の不妊治療が妊娠しにくい根本的な理由 体に優しいやり方では効果を生まない
子どもは自然に授かるのが当たり前――多くの人はそういう感覚を持っているだろう。しかし、国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、日本のカップルの6組に1組は何らかの不妊治療をしたことがあるといわれている。晩婚・晩産化が進み、それに伴って不妊治療はとても重要かつ身近な医療になってきた。
実施件数が世界一多くて、成功率は世界最下位
それを受け、日本で増加の一途をたどっているのが体外受精。ただ、拙著『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』でも詳しく解説しているように、実はその治療成績は、国際的に見て非常に低い。
今年、世界の生殖補助医療の効果や安全性を監視する組織「国際生殖補助医療監視委員会(International Committee Monitoring Assisted Reproductive Technologies:ICMART )」から、世界各国の体外受精の出生率を公表するワールドレポートが出された。
それを見ると、日本は採卵1回当たりの出産率が6.2%しかなく、60カ国中なんと最下位だった(レポートの最新値2010年)。
60カ国の平均値では、この出産率は20.1%もあって日本の3倍以上だ。採卵を何回も重ねた結果を示す累積出産率はもう少し良いが、それでも1番下から3番目という低さだった。
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