39歳大学講師が結婚のために「捨てたもの」 村上春樹のような「いい返し」は要らない

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活動を始めると、所長の言うとおりだった。上記の3条件を満たす男性に申し込んでも9割からは断られた。あちらからお見合いを申し込んでくれた男性には3条件を満たしていなくてもできる限り会うことにしたが、どうにも会話が弾まない。肩がフケだらけなど、生理的に無理な男性もいた。智子さんはこの結婚相談所を紹介してくれた友人のアドバイスを思い出す。

「相手に求める条件はどんどん落とすことになる。だからこそ、どうしても外せない条件を1つだけ決めておきなさい」

唯一の条件は、研究の仕事を続けること

智子さんは改めて考えた。一緒にいて楽しい相手であれば、年齢や収入は気にする必要はない。ただし、たとえ単身赴任になったとしても研究の仕事は続けたい。それが唯一の条件だ。

「40代後半で年収が高い男性からお見合いを申し込んでもらえることはありました。でも、私の仕事の話になると、『仕事は続けても続けなくてもいい』と言われるのです。それって、家のことはすべて私がやって余力があれば仕事を続けてもいい、という意味ですよね」

30人近くとのお見合い経験と友達や所長の助言によって、ようやく自分が求める結婚相手像がはっきりした智子さん。そのときにお見合いしたのが、現在の夫である晴彦さん(仮名、40歳)だ。

晴彦さんはある会社の契約社員であり、年収は400万円程度。智子さんが最初に求めていた条件とは異なる。しかし、同じバンドのファンであることからお見合いの席で意気投合。すぐに交際が始まった。

「結婚相談所を介したおかげで、結婚生活に関する突っ込んだ話をすぐにできるのがすごく良かったです。私は夜遅くまで研究室にいることが多いこと、地方に行く可能性があること、できれば子どもがほしいことを正直に伝えました」

晴彦さんも徹夜も当たり前の業界で働いているため、智子さんが遅くまで働くことは構わない。地方に行くことになったら、「そのときに一緒に考えよう」と言ってくれた。子どもは嫌いではないので育てられたらうれしい。ベストに近い回答である。

「彼は何かを決めつけることがない人です。私の話をちゃんと聞いてくれて、納得したら賛成してくれます。結婚の条件にするつもりはなかったのですが、姓も私のほうにしてくれました。研究者としては論文に書く名前をできれば変えたくないことを伝えたからです」

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