週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ビジネス #O2Oビジネス最前線 

伊勢丹が飛びついた、最新型O2Oの磁力 素人メディア「tab」が開く新しい世界

11分で読める
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

「むしろ、伊勢丹ありきではない、偶然の発見(セレンディピティ)から新しいお客様と出会いたい。何かの商品に出会う。それがたまたま伊勢丹だった、というもの。そうした偶然の出会いから生まれる『セレンディピティ・コマース』を提供できるメディアのほうが少ない。

紙のチラシや広告など、“伊勢丹です!”というメディアはすでにある。できれば、友人のtab帳から、伊勢丹のアイテムと偶然出会ってもらい、伊勢丹のフォロワーになっていただければいい」。

フェイスブック、LINEにはないプッシュ通知の強み

tabは、フェイスブックやTwitterのような従来型のソーシャルメディアに比べ、O2Oをより強化している。「リアルの行動に直結したメディア」というのがtabの売りだ。

特徴は「プッシュ通知」によるリマインド。行きたいと思っていた場所も、時間が経つと忘れてしまいがちだ。適切な場所やタイミングで思い出せずに終わることも多いだろう。そこでtabでは、思い起こさせるためのプッシュ通知をする。

tab帳に入れたスポットの半径500メートル付近に立ち入ると、通知される

ユーザーが、tab帳に入れたスポットの半径500メートル付近に立ち入る。すると、ユーザーのスマートフォンの画面上に、その旨が通知される仕組みだ。

プッシュ通知は、現在、世に出ているO2Oアプリの特徴のひとつだ。たとえば、LINEでは店舗の狙ったタイミングでプッシュ配信ができる。ユーザーに迷惑がられないように、基本的に“週1回お昼時”など、頻度や時間帯を絞って配信することを推奨している。企業や店舗の都合でやみくもに配信すれば、ユーザーは離れてしまう。

「tabでは制限なくプッシュ通知できる。もともとユーザーが行きたくて自分で集めた店舗、商品だ。ユーザーの興味と100%マッチングしている。その近くに来たとき、ベストのタイミングで教えてあげる。サービスの考え方、ユーザーの体験が根本的に違う。企業からの押し付けではなく、ユーザー自ら楽しんで使っている」(谷口氏)。

ユーザーはMy 雑誌を作る感覚で、あるいは好きな雑誌を眺める感覚で、tabを使う。そこには、O2Oという意識はまったくない。楽しいから使う。だが、企業や店舗にとっては、今までにない新しいO2Oの価値を生み出す可能性がある。

「消費者には、新しい街の楽しみ方を提供できる。tab帳というフィルターを通すことで、“カメラの街・新宿”や“スイーツの街・新宿”など、自分目線で興味のある街として見えてくる。企業にとっては、消費者との新しい接点を持て、なおかつ来店につなげることができるメディアだ」と谷口氏は話す。

次ページが続きます:
【今まで、雑誌が担っていた機能】

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象