カシオの母が挑んだ、「小1の壁」サバイバル 面倒は、むしろ買って出るべし?

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縮小

カシオ計算機で製品の物流管理を担当する三崎裕子さんは、2年前、「小1の壁」にぶつかっていた。

小1の壁――。ワーキングマザーは、子どもを保育園に預ける期間を過ぎると、放課後の預かり時間の短縮、平日によくある学校行事、夏休みなど長期休暇中はどこに子どもを預けるかといった問題に直面する。

小学校に上がると、宿題を教えるなど、学業のサポートも必要になる。そして何より、子どもが自己主張するようになるから、学童保育に行きたがらない、仕事を辞めてほしいと言い出すなんてことも起こりうる。子育てと仕事の両立の難所のひとつといわれるだけに、課題は山積みだ。

「息子が小学校に上がれば、何でもかんでも一人でやってくれてラクになると思っていました。でも、小学生の子どもはご飯を食べさせるといった物理的な世話だけではなく、保育園児以上に親の“精神的な支え”を必要とするのだと思い知りました」

そう気づいたのには、あるキッカケがあった。三崎さんの長男が小学1年生になったばかりの頃、何者かに傘が折られるという事件が起きたのだ。すわ、イジメか。三崎さんは、たじろいだ。

「息子に『どうして傘が折れているの』と聞いても、『〇〇くんとたたきっこして遊んでいただけ』だと言うし、当時の私には、『ウチの息子、こんなことがあったんだけど、何か知らない?』と気軽に話を聞けるママ友もいませんでした。かといって、いきなり学校に乗りこむのも“モンスター・ペアレント”みたいで嫌で。だから1回目は様子を見るしかなかったですね」

事件で悟った、小学生からの母の役割

だが、息子さんの傘が折られる事件は2度3度と続いた。

「3回目にはいよいよ、会社を早退して、学校に乗り込みました。そうしたら先生が、時間をかけて生徒に聞き取りをしますからと言ってくださり、その後、傘を折った子には、きちんと指導してくださった。やっぱり、何かあったら会社を早退させてもらってでも、学校に行かなくてはダメだと思いましたね」

もうひとつ、この事件で三崎さんが思い知らされたのは、「ママ友を持つ重要性」だった。

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