カシオの母が挑んだ、「小1の壁」サバイバル 面倒は、むしろ買って出るべし?

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その後、本社に移り、専務秘書になったときに長男を授かったが、妊娠早々に切迫流産の危機に陥り、入院に次ぐ入院で、結局、そのまま出産することになってしまった。そのとき、「あまりに会社の人に申し訳なくて、もう戻れないかと、つらかった」と言う。

第一子育休取得後は、アメリカ・イギリスへの製品の船積み業務の担当となった。そして、仕事も慣れた頃、再び第二子を妊娠すると、また切迫早産の兆候に見舞われ、出産前の早期に入院。無事、出産することができたが、今度は住まいのある中野区の待機児童問題で、子どもを希望の保育園に預けられず、育休を1年半取得することになってしまう。

仕事へのやる気は十分なのに、子どもが小さくて、目いっぱい働けない。子どものことを考えると家にいたいが、働きたい……。そんなジレンマに悩み、三崎さんは自分1人でできることの限界を知った。だからこそ、今は、素直に周囲への理解や協力を願い出ることができる。

会社ではもちろん、育児も自分1人では抱え込まない。

「ありがたいことに、下の子の保育園のお迎えは、二世帯住宅で同居するおじいちゃん(ご主人の父親)に週の半分はやってもらっています。毎朝、われわれの住居を訪ねて『今日、どうする?』って言ってくれるんですよ」

ご主人も以前は、「何もやらない人」だったが、今では、「毎朝の洗濯は自分の仕事とさえ言ってくれる」ほどに協力的だ。

「下の子の切迫早産で入院していたとき、上の子の育児をやらざるを得なかったからでしょうね。男性も育児することの大切さに気づいてくれて、助かっています」

地域の活動をすることで、情報を得られるようになり、かえって上のお子さんとのコミュニケーションがうまくいくようになったのは、先に書いたとおりだ。

「以前は、『早くしなさい』『早くしなさい』の連発で子どもの話さえ聞けないときもありました。でも、今は、毎日、必ず子どもと3人で夕飯を作る余裕もできました。みんなで同じ作業をすることで、子どもがふっと学校や保育園での出来事を話してくれるこの時間を、今は大切にしたいと思っています」

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