カシオの母が挑んだ、「小1の壁」サバイバル 面倒は、むしろ買って出るべし?

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カシオは、育休や時短勤務など社員の子育て支援策は十分整備されているが、昔から社員の男性比率が圧倒的に高い男社会なだけに、実際の運用は、スムースだとは言い切れなかった。

そこで、三崎さんは社内の「女性活躍推進グループ」に参画。グループ内で初めてのワーキングマザーとして、育児しながら女性が快適に働ける社風を作ろうと積極的に意見を発信し、今年1月には、仲間とともに社内の「育児支援マニュアル」作りを完成させた。

「マニュアルができる前までは、女性社員が上司に『妊娠しました』と報告すると、『おめでとう』と言う前に、『辞めるの? 続けるの?』という第一声を発する男性上司がほとんどでした。意地悪で言っているわけではなく、前例がないから、何と言ったらいいかわからなかったんですね」

そこで、マニュアルには、女性社員が妊娠を報告してきたら、上司はまずは「おめでとう」と言いましょうと、懇切丁寧に書き込んだ。そして、完成したマニュアルを、プリントアウトして、1冊、1冊、上司に配り歩いた。

社内のホームページからもダウンロードすることもできるが、それだけでは、男性上司が目を通してくれない可能性もあるからだ。

一方、女性社員向けのマニュアルでは、仕事に対する意識を高めるように促した。

「妊娠を報告する際に、ただ上司に『休みます』と言うのでは駄目で、仕事を続けたいのなら、いつまでに復帰するつもりか、後任者への引き継ぎはどうしてもらいたいのか、きちんと自分の頭の中で整理してから行きましょう、と書きました。周囲への理解や協力を得るためには、まずは自分の意識を高めることが大切ですからね」

育っていった、イクメンとイクジイ

三崎さん自身、これまでに何度も「もう働けないかもしれない」と悩んできた。

カシオでのキャリアのスタートは、関連会社に出向しての営業事務。そこで知り合った営業マンのご主人と結婚したが、当時は社内結婚してそのまま働き続ける女性社員は少なく、ご主人には「仕事、続けるの?」と驚かれた。

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