子どもは、小学生にもなると、照れや面倒臭さも手伝って、学校であった出来事を親に報告したがらない。ましてや母親が多忙だと、子どもは健気にも親に心配をかけまいとする。
「特にワーキングマザー家庭の場合、子どもの学校が終わってから母親が帰ってくるまでに、3~4時間の間が空くんですね。この間に、子どもは今日あったことを忘れてしまう。だから、『今日、学校、どうだった?』と聞いても『う~ん』なんて生返事しか帰ってこないんです。
そこで、力になってくれるのが、子どもの同級生の親の存在です。ママ友がいれば、『今日、あなたの子ども、こんなことがあったらしいよ』なんて、教えてくれますからね」
とはいえ、働くお母さんは一般的に、地域へのかかわりが薄く、ママ友が作りにくい。三崎さんの場合、町内会の役員になったことが、交友関係を広げる転機になったのだという。
「最初、役員の当番が回ってきたときはうれしくありませんでしたが、いざ町内の野球大会、お祭りなどのお手伝いをしてみたら、自然と子どもの同級生のお母さんとのつながりができました。そして、子どもが学校で何をやっているのか、学校ではどんな風なのか、お友達は誰なのかなどの情報が入ってくるようになったんです。
また、キャンプや水泳大会など町内の行事に子どもと一緒に参加することで、息子が友達と過ごす様子を、直接、見られるようになったこともよかったですね」
制度だけじゃなく、風土を変えたい
三崎さんは子育てに重点を置くため、9年前に息子さんが生まれて以来、朝8時半から夕方4時半までの時短勤務を選択してきた。5年前に長女も生まれた三崎さんは、カシオの規則上、下の子どもが小学校3年生に上がるまで、時短勤務を続けることができる。
しかし、4時半までの勤務と言っても、何やかやで仕事が終わらず5時半に会社を出るのがやっと。
たとえ早く帰ったとしても、勤務時間の短縮だけで子育てと仕事を両立させるには限度がある……。三崎さんは、時短勤務を続けた結果、そう悟ったと言う。つまりは、周囲の理解や協力が欠かせないということだ。
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