日本人は苦手?「欧米型採用」とそのリスク 「待ちの姿勢」では限界がある

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たとえば、LinkedInに自分の経歴や仕事ぶり、取得した資格などを投稿しておくようなことが考えられます。プライベートの趣味や食べたラーメンの話では意味がありません。攻めの姿勢を持っている企業からしても、必要なのはビジネス上の選考をするための情報です。

こうしたアピールもゼロならば、さすがに潜在層ですらなく、誰からも気が付かれない隠れた層になってしまいます。

注意すべき点は

ただし、気を付けなければいけない点も。こうした努力が社内で筒抜けになって知られてしまうリスクもあります。コンサルティング業界に勤務しているSさんは、現在の職場に不満はないものの、さらなるキャリアアップに転職になるなら転職も厭わないと考えていました。そこでSNSにて、

《将来的に事業会社で経営企画の仕事を経験し、その後は経営陣として働く可能性を探っています》

とキャリアプランを投稿していました。この投稿から半年後にSさんは新たなプロジェクトにアサインされましたが、本人的には希望していない仕事でした。さらにプロジェクト責任者のSさんに対する接し方が冷たく、自分が会社内で置かれた立場に変化があったことを察知しました。おそらく、社内の人事部がSさんの投稿を読んだのでしょう。つまり、近い将来には転職をする意志が明確にあることを社内で知られてしまったのです。こうなると、今いる会社での仕事はとてもやりづらくなります。

実際、こうした状況になってしまったSさんは半年以内に転職することを決意して、人材紹介会社のサイトからエントリーをしたようです。

こうした状況を知って、ソーシャルメディアでのアピールには慎重になる人もいます。大手総合商社のDさんは、ダイレクトリクルーティングの機会から新たなキャリアが得られる転職には興味は高いものの、

「社内の人事部に知られたら、出世がなくなるので避けたいですね」

とソーシャルメディアで自分の仕事ぶりのアピールをするのは控えているようです。

ちなみに大企業で中核として活躍している数人が、同じような回答をくれました。転職潜在層をダイレクトリクルーティングで獲得するのは簡単なようで、そうでもないのかもしれません。

日本企業が今後攻めの姿勢で採用に取り組む可能性は高まりますが、そのときに転職潜在層にしっかりリーチして、これまでよりも有意義な採用が実現できるのか動向を注目していきましょう。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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