日本人は苦手?「欧米型採用」とそのリスク

「待ちの姿勢」では限界がある

ガラパゴス化した採用手法の典型が、新卒の一括採用、そして入社式や同期研修といった、入社以降のプロセスです。

長らく日本の多くの企業では、新卒正社員を一括採用して、現場経験を積ませ、適性や仕事能力を見極めて、内部昇進。部長ぐらいからやっと選抜を行い、差がついていくという流れを取って来たかもしれません。海外なら職種別に採用し、賃金もバラバラ、そもそも、就活が学生時代の一定期間に(同じようなスーツに身をまとい)行われるものではありません。

企業側の「待ちの姿勢」

でも、それ以上に時代遅れと言われるのが企業側の「待ちの姿勢」ではないかと筆者は感じます。多くの企業において人材採用は、求職者自身が求人媒体やハローワークによる公募で見つけたり、もしくは、紹介会社からの紹介といった、ある意味「受け身」の形で行われています。

なかでも中小企業では採用に関する専門要員がいないことなどもあり、待ちの姿勢が顕著になります。取材した従業員50名の部品製造業の会社では、採用ニーズが発生したらハローワークで求人募集。それ以外の方法で採用したことがありません。当然ながら期待している(経験豊富な)人材はなかなか応募してきません。応募自体が何カ月もなくて、人手不足で大忙しになることもよくあること。それでも、

「人手不足で困ったものだ。いい方法はないのだろうか?」

と経営陣・管理部門が嘆くものの、それ以上の進展はありません。

一方、海外の企業は「攻めの姿勢」とも言える採用を行う会社が一般的です。SNSや社員による紹介、人材データベースを活用し、企業側が積極的に動いて人を採りに行くという姿勢なのです。

攻めの採用により、大きく変わるのが「求める人材の質」です。守りの姿勢で会社が出会える候補者は転職意志の固まった人材に限られます。労働力調査によれば、現在の労働人口約6500万人のうち転職希望者数は約400万人。残りの人材は対象外なのです。ところが攻めの姿勢になれば、転職意志が低い、ないしはない、残りの5000万人まで範囲が広がります。冒頭に登場した「採用できない人材」がこれにあたります。

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