「トランプ大統領」との正しい付き合い方は? ニセニュースやウソを許してはならない

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トランプ時代の米国では、真実を守るのも骨が折れる? 写真は昨年12月撮影(ロイター/Lucas Jackson)

ドナルド・トランプ米大統領が今月就任するのに伴い、米国はここ数年で最大の分断に見舞われるだろう。米国最古の敵であるロシアがこれほど歓迎し、米国の同盟諸国がこれほどまでに神経をとがらせる大統領就任は、かつてなかった。

そして、全体の得票数が対立候補をこれほどまで下回ったのに当選した米国大統領も、かつて存在しなかった。ヒラリー・クリントン候補の全米得票数は280万票ほどトランプ氏を上回っていたのだ。この状況を民主主義に基づく結果だと認めるのは、ロシア政府だけだろう。

大統領が一般投票ではなく、選挙人団方式で選ばれるのは周知の事実だ。米国の建国の父たちはこの制度を、州ごとの支持のバランスをとる妥協策として創設した。だが、この考え方は今回、皮肉な結果をもたらした。

トランブ氏は地滑り的な勝利を収めたと主張している。しかし、実は際どい勝利に過ぎなかった。

「米国を再び偉大に」の中身とは

トランプ氏が掲げた「米国を再び偉大にする」というのは、どうやら、エリート主義者を政府から追放し、閣僚に億万長者やゴールドマン・サックス出身者を起用することらしい。そして、景気を刺激し、35%の輸入関税を課すことらしい。

さらに、鉄鋼労働者や鉱夫の雇用を回復させ、マイノリティ優遇をやめ、非正規の移民をすべて国外追放し、減税を行い、インフラ支出を何十億ドルも増やし、医療保険制度改革(オバマケア)を廃止し、国家債務やテロ対策を見直すことなども意味するようだ。

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