ワシントンDCのすべての人々は2017年に、不快なツイートや嫌悪感たっぷりのメール、そしてオンライン攻撃を受けないために、トランプ氏とうまくやった方が良い。そして、大統領選に対するロシアの悪意ある干渉と、ロシアのプーチン大統領に対するトランプ氏の親密な姿勢との関連性を疑ったりするのは、災いのもとだ。
CIA(米中央情報局)とFBI(米連邦捜査局)が、ロシア当局が民主、共和の両党をハッキングして民主党の電子メールだけを流出させたと結論づけたことは、気にしないことだ。同じくオバマ大統領が現在、ロシアによる関与の詳細に関する報告書を公表して、ロシアの諜報機関への制裁を実施したことも、気にはとどめないでおこう。
この重大な問題の調査はトランプ氏の大統領就任後も続けられ、情報漏洩に関する話題が数多く出てくるだろう。そのいくつかは事実とは違うかもしれないが、恐るべき真実が明らかになるかもしれない。いずれにせよ、この問題は、米国内の分断を助長するものとなろう。
だが、トランプ氏の選挙活動と、プーチン大統領が指示したとみられるロシアの諜報活動との関連性が立証されない限り、トランプ氏は嵐を乗り切るだろう。
乱暴な表現かもしれないが、われわれは話が逆でなかったことに感謝しなければならないのかもしれない。トランプ氏が全米の得票数で勝ったものの選挙人団方式では僅差で敗北したと想像してほしい。ロシアの諜報機関がトランプ氏の選挙活動に関するメールを漏洩させた結果、クリントン氏が当選して億万長者を閣僚に据えた政権を作り上げたと想像してほしい。
その場合、トランプ氏は、クリントン氏とその夫は腐敗した殺人犯なのだと支持者に訴えていただろう。このような逆転現象が起きていたら、筆者が長年敬愛してきた米国は、憂慮すべき事態に追い込まれていただろう。
ニュースとの付き合い方も変わる
では、これからの暗い時代にできることは何か。まずは、ウソを許さないようにしよう。ソーシャルメディアにニセと思われる情報が出ていれば、事実と照らし合わせてほしい。仕事仲間がニセのニュースの見出しや無知に基づいて偏見のある主張を繰り返している場合は、その仲間と議論してほしい。
テレビやラジオのニュース番組が真実を歪めている場合は、電話をかけて、彼らと広告主にあなたの考えを伝えよう。牧師やほかの地域の指導者にも、同じことをするよう頼んでほしい。
われわれは市民として真実を追求し、偏見やごまかしに対抗せねばならない。真実が失われれば民主主義は片隅に追いやられるからだ。
ローマ時代の神学者、聖アウグスティヌスは「真実とはライオンのようなもので、わざわざ守ってやる必要はない。そのままにしておけばよい。ライオンは自分で身を守るのだから」と語った。
だが、われわれは2017年に、ライオンの檻を開けねばならないのだ。
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