キャリアチェンジの「恐怖」を克服する秘訣 38歳シングルマザー起業家の「踏み出す力」
この本で最も共感したのは、人生をポジティブに捉えているところです。100歳まで生きるなら、この先、打って出るというより、打って出ざるをえませんよね。ポジティブさの底流には、「危機感をちゃんと持て」というメッセージがあります。そう考えると、モノの見方も変わってくるのはないでしょうか。
攻撃は最大の防御とよく言われますが、それと同じで、100年ライフでは、チャレンジするのがリスクではなく、実は最高のリスク対策になるということです。この本は、チャレンジに踏み出す自分の背中を押してくれる本だと思います。
できる範囲でシフトに向き合う
――これからライフ・シフトをする人に、アドバイスをいただけますか。
私はシフトのきっかけが20代のときにやってきましたが、周囲を見ると、30代後半になって子育てが落ち着いた友人たちが、また、働きたい、社会に戻りたいとシフトし始めています。翻訳の仕事をしている人もいるし、週3日、午前中だけ働いている人もいます。もちろん、若いときに積み上げた経験と努力があるからできることでしょうが、シフトしたいという気持ちを持っているからこそ、準備もでき、仕事も見つかると私は思っています。
シフトに向けた気持ちを持ち続けることと、変わりたいという気持ちに気づいたら打って出る、行動に移すことをすすめます。
働くということで言えば、何もいきなり起業しなくても、所属する企業で配置転換をお願いする、新規プロジェクトを起ち上げるという手もあります。社外活動をしてみるのもいいですし、そのひとつとして、私たちのサービスのような、空いた時間で自分の知見・スキルを提供できるサイトを活用する、という手もあります。起業しなくても自分のスキルの価値を再発見できたりして、刺激的です。
――普段の生活で心掛けていることはありますか。
私は毎日がシフトで、チャンスがあると考えているのですが、だからといって、そのチャンスをすべて活かすことはできていません。こうしている間にも他の起業家はがんばっているんだろうな……と思いながらマンガに手を伸ばすこともあります。ただ、「毎日がシフト」という気持ちを持ち続けることで、シフトへの準備ができ、チャンスをつかむことはできると思っています。
だから、自分にできる範囲で、シフトに向き合うことは大事です。たとえば私は、手帳を買うのが大好きで、年に4冊くらい手帳を買い直します。スケジュール管理のためというより、なりたい自分や達成したい目標をそこに書き込むんです。それで、目標が達成できないなと思ったら、また手帳を買って新しい目標を書き込む。そうすると、私の手帳にはいつも、達成できるかもしれない目標しか書かれていないことになる(笑)。手帳を買い換えることも私にとってはひとつのシフトです。
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