パクリ量産とクラウドソーシングの黒い関係 ウェブライターはなぜ買い叩かれるのか

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実際に12月10日時点でクラウドワークスのサイトで記事執筆の仕事を探してみたところ、たとえば、ある分野の「レビュー記事」を「経験不問」かつその分野に「詳しくなくても執筆可能な内容」として3000~4000字で3000円で募集している仕事があった。これは極端な例ではなく、似たようなケースはほかにも散見される。執筆の技術そのものはおろか書く内容の専門性も問われない記事が量産されている。

記事の価格と質の問題だけではない。坂本さんはランサーズで「ディレクター」と呼ばれる、元締めの仕事の進め方にも疑問を感じたという。

坂本さんのかかわったキュレーションサイトでは「一つのプロジェクトにつき3、4人のライターと1人のディレクターが組んでいました。ディレクターはランサーズのスタッフだが、中には学生のアルバイトもいた。仕事の連絡はチャットワークスでやりとりしますが、おそらく案件数が多すぎて彼らもさばききれず、質問の返事が来ない、返事が遅れたことを詫びないなどのケースが多くありました」(坂本さん)

多いのはキュレーションサイト

ランサーズ経由でJOOYの執筆業務を受注していた田中早苗さん(仮名)は、今回の件でまずDeNAの責任を感じたという。

「JOOYでは(記事管理ツールの)『パレットワークス』上で記事を提出する仕組みでしたが、あらかじめ書かれていた記事タイトルや見出しが間違っていたこともあり、いつか問題になると感じていました」(田中さん)。

一方で田中さんはDeNAの姿勢とともに、クラウドソーシングの課題についても指摘する。

「クラウドソーシングは、技術や知識を持っているフリーランスが仕事を探すプラットフォームとしては便利。でも専門知識を持たない人にとっては、『月収20万円』といわれるまで稼ぐのは、よほどの努力をしないと難しい。またウェブライターの初心者ができる案件となると、キュレーションメディアが多い。それも検索1ページ目に出てくる多くのまとめ記事から情報を抜き取り、リライトすればOKという仕事なんです。パクリメディアと揶揄されても仕方ありません」(田中さん)

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