DeNAリライトマニュアルの巧妙すぎる手法

「パクリ」でも違法と言い切れない理由は?

3時間超にも及ぶ記者会見では、厳しい質問も飛んだ(撮影:今井康一)

医療情報サイト「WELQ」が閉鎖された問題をめぐり、12月7日、運営元であるDeNAが記者会見を開いた。会見の席には、創業者である南場智子会長も急遽、出席。質問が尽きるまで無制限で行われるスタイルで、結果として3時間超という長丁場のものになった。

メディアからの質問内容は多岐に渡ったが、その中でも、特に関心が高かったのが、11月28日にBazzFeed newsが報じた、他人のコンテンツのリライト(書き換え)を指南する「マニュアル」の中身についてだ。WELQでは、運営側がライターに対して記事を書くにあたり参考にするべきサイトのURLを提示しつつも、マニュアルでは「参考サイトに類似しない本文作成のコツ」として、要約すると次のように書かれていた。

どこを参考にしたのか、すぐ分からない状態に

「自分の意見を述べて『こういう多数の意見がある+それに対して自分はどう感じるか、自分の経験ではどうだったか』といった形にするとオリジナルコンテンツ化しやすい」。「中見出しごとに複数サイトを参考にして複数意見を寄せ集めれば、どこを参考にしたかすぐ分かる状態ではなくなり、独自性の高い記事になる」。

この内容については、守安功社長も、キュレーション事業を統括する村田マリ執行役員も、報道されるまで把握していなかったという。「無断転載をライターに指示するものだ」「会社として著作権侵害をしたと認めるのか」といった質問が飛んでいたが、守安社長は「著作権者に対する配慮が足りなかった」と述べるにとどまり、違法性の問題については「個別の事案を見てみないと判断が難しい」と発言し続けていた。とても質問者が納得できるものでないことは明らかだったが、このように答え続けることには理由があった。

マニュアルの中の、次の部分が重要だ。「事実を参考にするのはOKですが、表現は参考にせずご自分の言葉、説明の順序で説明してください。執筆前に内容を、事実と表現に単語単位で分解してみてください」(下線は筆者)。ウェブの著作権の問題を多く扱うSTORIA法律事務所の杉浦健二弁護士は、「あくまで推測の域を出ないが、このマニュアルは著作権について熟知した専門家が関与していることをうかがわせる内容」と指摘する。それはなぜか。

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