慶應幼稚舎男との格差婚は外部女子の願望だ 東京カレンダー「慶應内格差」<8>

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デート場所もレストランも気張らなくていい。栞ならば不機嫌になりそうな家から近所の居酒屋でも楽しそうにしている。我がままも言わない。

自分の落ち着くところはここかもしれない。そう思って過ごしていたそんな時、インドネシア駐在が決まった。

由佳にはまだ伝えていない。由佳も自分も28になる。駐在が決まれば、結婚して一緒に赴任するのが商社の定説だ。両親にまず会わせないと。

周りの結婚した友達が口をそろえて言っていた「結婚はタイミングだ」というセリフ。今、やっと理解できた。

「圭ちゃん、今回の子は大丈夫なの?どこの子?もちろん慶應よね?」

母親に食事の日程を合わせる電話をしたら、矢継ぎ早に質問が飛んでくる。

「そうだよ。あ、でも大学からだから、外部生だけどね」

「え?外部生なの?」

慶應一家の嫁に相応しいのは誰だ!?

圭一郎の家は、両親ともに幼稚舎出身、一族のほとんどが付属校上がりの生粋の慶應ファミリーだ。母親が外部女子と聞いて驚くのも無理はない。

「外部女子」

大学から一般入試で入れる女子は日吉・三田キャンパスの主要4学部(経済・法・商・文)で800名ほど。幼稚舎、中等部の50名弱、女子高の80名と比べると、門戸は広い。

半分ほどは都内や関東近郊の有名進学高から入ってくる。残りは地方出身組。

高校生活を受験勉強に注ぎ込んでいたため、「大学デビュー」が多いのも特徴。入学後はサークルやゼミ活動に活発に参加し、所謂大学生活を満喫する。

由佳は長野の県立高校出身で、一般入試で商学部に入学した。ごく普通のサラリーマンの家庭で育ったと聞いている。一般常識もあり、おおむね食事会はうまくいったと思っていた。

家に帰り、母から電話がくるまでは。

「圭ちゃん。こんなこと言いたくないけど、あの子はやめなさい」

また母はそんなことを言い出したか、と圭一郎は肩を落とす。次は何が問題だ?

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