同じ慶應卒でも「外部生」は永久に格下扱いだ 東京カレンダー「慶應内格差」<1>
慶應義塾大学内には、他大学からは決して窺い知れない“格差”がある。それは、大学入学に至るまで、どのような経路を辿ってきたかという格差だ。比率的には、大学受験を経て入学する「外部生」が圧倒的に多いが、「内部生」もさまざま。小学校は貴族的な「幼稚舎」、中学は男子校の「普通部」と共学の「中等部」「SFC」がある。高校は男子校である「慶應義塾高」、埼玉の「志木高」、女子校の「慶應義塾女子」、共学の「SFC」、そして「NY高」と内部生は5つに出自が分かれる。
十把一絡げに慶應とは言い切れないモヤモヤを大学時代から抱え、社会へ旅立っていく。そんな“慶應内格差”についての東京カレンダーの人気連載をお届けする。
慶應義塾女子校出身・外銀トップセールスの沙羅
夏も終わりかけ、少し肌寒くなってきた9月。沙羅は親友の早希子と栞と軽井沢へ出かけた。早希子の別荘があり、気軽に週末を過ごしに行く場所となっている。
3人が出会ったのは慶應義塾女子高校。大学のキャンパスと同じ三田にあるのだが、知らない人も多い。慶應義塾大学附属の女子高だ。慶應で「女子高」といえば、この高校。早希子は幼稚舎出身、お父様は誰もが知る大企業の社長というお嬢様。家は松濤にある。
栞は中等部出身、可愛いルックスと、裏腹な芯の強さで、キー局のアナウンサー試験をパスした。そして沙羅は、高校受験最難関といわれる女子高から入った。その優秀さを見込まれ、外銀に入社。すぐさまトップセールスに。
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