慶應幼稚舎男との格差婚は外部女子の願望だ 東京カレンダー「慶應内格差」<8>
慶應義塾大学内には、他大学からは決して窺い知れない“格差”がある。それは、大学入学に至るまで、どのような経路を辿ってきたかという格差だ。今回は、女子アナ栞の恋愛相手だった幼稚舎生圭一郎にまさかの展開。
※「東京カレンダー」の人気連載の転載です
自分の落ち着くところはここかもしれない
「圭ちゃんとの将来が見えない」
半年付き合った彼女・栞に、そう言われて、圭一郎は別れを切り出された。両親とも会わせ、結婚も時期を見てそろそろ、と思っていた矢先の出来事だった。
「このまま付き合ってても意味ないよ。圭ちゃんと夫婦になるのが想像出来ない」
アナウンサーとして華やかな世界で活躍する彼女には自分はふさわしくなかった。プロポーズも彼女の職業を思い、言い出せなかった。
言い訳をあげれば、切りがない。突然のことにショックは大きく、辛い日々を送っていた。
立ち直るきっかけをくれたのは、今の彼女、由佳だ。会社の同期で、一般職。
同じ大学出身ということもあり、入社当初から飲みに行く仲ではあったがあくまでも友達。女としては見ていなかった。
しかし、栞にフラれた話や仕事の愚痴を話しているうちに、居心地が良くなっていった。
何でも笑顔で聞いてくれる由佳の前では、自分を大きく見せる必要がなかった。
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