慶應幼稚舎男との格差婚は外部女子の願望だ 東京カレンダー「慶應内格差」<8>

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「歯並びを見た?ガタガタの歯並び。お里が知れるってああいう事を言うのよ。歯並びは、育った家の環境を表すの。あの子のご両親はそこまで気が回らないような人たちよ」

歯並び。母の発言は予想外だったが、圭一郎も実は気になっていたことだった。

おカネが目当てよ だまされないで!

「それに!なんなの、あの安そうな生地のコートとハイヒール。もう28にもなってあれは無いわ」

レストランに着けばコートを脱ぐ。お座敷に上がる時はハイヒールを脱ぐ。どのブランドのコートかハイヒールかすぐバレてしまう。そこまで意識を回せるかどうか、ということか。

「しかもよ、そこに、ティファニーリング。ちぐはぐもいいところ。見えるとこだけブランドで固めておけばいいと思ってるのかしら。金メッキ感がすごいのよ」

ティファニーのリングは圭一郎が誕生日にあげたものだ。由佳がその価値をしっかり分かっているかどうかはわからなかったが。

「きっとあの子は圭一郎、いや私たちのおカネが目当てよ。地方から来たどこの馬の骨かも分からない子に騙されないで」

「あの子と結婚して、圭ちゃんに子供が出来ても、絶対幼稚舎に入れないわよ」

由佳はごく一般的な家庭で育った、ごく普通の子だ。自分の幼稚舎や内部生の友人と比べると、確かに垢抜けない。

栞は身につける洋服やアクセサリーも上品で、もちろんアナウンサーになるだけの容姿を持っていた。歯も白く揃っている。

改めて栞にフラれてしまったことが残念で、彼女に並ぶだけの男になれなかったことも悲しい。

そんなことを思っていたところに、由佳からの連絡。

「圭ちゃんのお母さんってとっても綺麗な人でびっくりしたよ!優しそうな人で安心した」

そうか、由佳の目にそう映っていたのであれば良かった。俺からすると、食事の最中も母が嫌味の一つでも言い出すのではないかとヒヤヒヤだった。

「あとね、圭ちゃん、出来るだけ早く話したいことがあるんだけど、時間あるかな……?」

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