「男性の居候はトイレのドアを開けっ放しにするほど大ざっぱだったみたいです。でも、注意しても直らない。ならば、そのつど自分が閉めてあげればいい。彼はそういう性格の人なんです」
結婚を機に居候たちには出て行ってもらい、現在は広い借家での新婚生活を楽しんでいる2人。仕事でリフォームなども請け負っている哲郎さんは、家に関するプロフェッショナルだ。麻美さんの担当は料理だけで、掃除や洗濯を含めたほかのことはすべて彼がやっている。
「彼は人付き合いも上手で、大家さんにもすごく信頼されているんです。いまの家はもともと大家さんのご両親が住んでいて、亡くなった後に空いていたので格安で貸してもらったそうです。私にはそんな人付き合いはとてもできません。でも、素直で優しい彼と一緒にいたら、面倒くさい私も心を開けるようになってきました。私が何を言っても彼は合わせてくれます」
妻の両親との同居を、自ら提案してくれる夫
麻美さんは「意外性がある人に振り回される」のではなく、「意外性がある人を振り回す」関係を望んでいたのだろう。このような自己発見ができるか否かは結婚相手との相性次第である。
3歳年下の哲郎さんにすっかり甘えていると笑う麻美さん。外では真面目すぎるほど真面目に働き、勤め先の金融機関からは一般職から総合職への職種転換を打診されている。哲郎さんはもちろん賛成してくれた。この先に子どもができることも想定し、都内に住んでいる麻美さんの両親と同居することすら提案してくれている。
「私のほうが戸惑っています(笑)。母親もいればすごく楽なのでうれしいかぎりだけど、私がどんどんダメになりそうだからです」
条件を緩めるキャンペーンによって、想定外なのに理想的な男性と結ばれることに成功した麻美さん。これからもうれしい驚きを味わい続ける結婚生活を送るに違いない。
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