大人の婚活は「条件緩和」してからが本番だ 37歳女性の運命を決めた「大英断」

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条件緩和したところから、婚活は動き出したりするのです(イラスト:堀江篤史)

いきなり余談で恐縮だが、筆者は二度目の結婚(35歳での晩婚)をしてから「小さくてキラキラしたもの」が好きになった。大ざっぱだけど決断力と義侠心に富んだ妻との生活で、乙女チックな自分を認められるようになったのかもしれない。部屋の片づけをしたり、切り花を買ってきて飾ったりするのは筆者の役回りだ。

自分はアクセサリー類を身につけないが、女性のイヤリングやネックレスが美しくて似合っていたりすると口に出して誉めたくなる。外食をするときも、旬の食材を丁寧に料理して美しく盛りつけてもらうと胸がキュンとする。たまの旅行では、清潔で安全で細やかな気遣いが行き届いた美しいホテルや旅館に泊まりたい。40歳にして「体内女子率」の上昇を実感するこの頃である。

キラキラ系ホテルで会った「晩婚さん」

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都内の金融機関に勤務する矢田麻美さん(仮名、37歳)と内装会社で正社員の職人として働いている哲郎さん(仮名、33歳)へのインタビュー場所も、筆者の中では「キラキラ系」のホテルであるマンダリンオリエンタル東京を選んだ。広東料理店「センス」のティールームで飲茶アフタヌーンティーを一緒に楽しみながら2人の話を聞きたい。

「夫と出会うまではきちんと付き合った男性はいません。恋人がほしいなという気持ちはずっとありました。20代後半になって、その気持ちが結婚願望にシフトチェンジしただけです。でも、『いいな』と思った男性には振り回されて終わってしまうことばかりでした」

静かな笑みを浮かべて座る哲郎さんの隣で、緊張気味に話し始める麻美さん。好きになる男性は「ギャップや意外性のある人ばかり」だったらしい。何を考えているのかわかりにくく、つかみどころのない人に心惹かれることが多かったのだ。

「今考えると、単に自己中心的な人だったりしたんですけどね。社内で好きになった人もギャップがある人でした。普段はすごく無口なのに、飲み会の席だけは弾けるように明るいんです。何度かデートもしたし、電話でもよく話しました。それなのに、私が夏休み中だった日の朝礼で唐突に結婚を発表したんです。ヒドイですよね……」

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