おしゃれなカフェより古い喫茶店のほうが落ち着くのは昭和生まれの特徴だろうか。日頃愛知県に住んでいる筆者が東京滞在中に愛用しているのは、門前仲町駅の真上にある「東亜サプライ」という昭和なネーミングの喫茶店だ。場所がわかりやすくて駅から雨にぬれずに入れるだけでなく、コーヒーがおいしくて接客も安定している。
食べ物で人気なのはナポリタンスパゲティ。炒める火力が強いのか、ベタベタしすぎずに食べやすい。味にもキレがある。以前、周囲に座っている4人の一人客と自分がほぼ同時にナポリタンを食べていることを発見し、ほのぼのとした気分になった。
レトロな内装で、仕切りのないゆるい分煙の店だ。誰でも誘えるわけではないけれど、きさくで食べ物好きな人はぜひ案内したい。この喫茶店のすばらしさを共有したいのだ。
一人行動が好きな、魅力的な晩婚さん
「確かにおいしい! 甘すぎずに酸味がきいているところが好きです」
ジーパン姿で来てくれて、ナポリタンを絶賛するのは渡邉美香さん(仮名、44歳)。ある食事会で知り合った際、こだわりなく話しかけてくれるのが印象に残った。
化粧は薄めでカジュアルな服装だが、よく見ればエキゾチックな顔立ちの美人でもある。40歳で結婚してすぐに妊娠し、同い年の夫である和則さん(仮名)と一緒に3歳になる息子を育てている。仕事は中小企業で経理をしているらしい。魅力的な晩婚さんなので、すかさずインタビュー取材を申し込む。「私でよければぜひ」と即レスでOK。うれしいリズムだ。
「大学を出てからも実家暮らしで、都内でOLをしていました。男の人とお付き合いした経験はほとんどありません。私は基本的に一人で行動するのが好きなんです。街中を5時間ぐらい歩き回ることもありますし、映画を観に行ったり食事に行ったり。独身生活は楽しかったです」
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