ミステリアスな人は単に自分勝手な性格であることが多い――。晩婚さんの年齢だからこその見解だと思う。20代ではなかなか理解できない。そして、不誠実で傲慢な人につい純愛を捧げてしまったりするのである。
麻美さんの場合は、さらに危険な状況にあった。社内にいる既婚男性たちにデートに誘われ始めたのだ。彼らは一見すると誠実である。無理な誘い方はしないし、相手の要望をできるかぎりかなえようとする。しかし、それは「自分は結婚している」という余裕と負い目から生じる偽りの誠意と優しさであることが少なくない。
「30歳のときは50歳のおじさんからすごく好かれていました。奥さんとは冷戦状態にあるみたいで、クリスマスシーズンのディナーまで一緒に行きましたよ。私のほうは誰かから好かれることに慣れていないので面白半分だったんだと思います。でも、20歳も年上の既婚者とのデートなんて明らかに人生の寄り道です」
おとなしそうなのは外見だけで、中身は「気が強くて面倒くさい性格」だと自認している麻美さん。50歳の彼に対しても、「私に道を踏み外させたいの?」と問い詰めて困られたこともある。といって、彼と結婚したかったわけではない。ならばデートの誘いを無視すればいいだけではないか。確かにちょっと面倒くさい女性である。
自分は「メールが得意」という大事な発見
しかし、麻美さんには賢さもあった。友人の紹介で同い年の男性と会ったことで「既婚のおじさんと一緒にいても面白くない。今までバカなことをしていた」と目が覚めたのだ。そして、ちゃんと婚活をしてみる決断をする。麻美さんは32歳になっていた。
「結婚相談所はハードルが高く感じたので、有料のネット婚活サイトに登録することにしました。独身証明書などの提出は必要ですが、ハンドルネームで活動ができるサイトです。私はネットを使うのが苦ではないし、メールなどもまめに書く性格なので向いていると思いました」
筆者と麻美さんは、インタビューの日程相談などのやり取りをメールで行った。麻美さんの文面は、簡潔ながらも感じが良い。インタビュー後はお礼のメールまでいただいた。麻美さんのような人がネット婚活には向いているのだと筆者も思う。
逆に、文章を書くことは好きではないけれど、初対面の人とも楽しく話せる自信があるのであれば、お見合いパーティーなどのほうが適しているかもしれない。自分の得意不得意を見極めて、最も力を発揮できそうな場を選ぶことが大切だ。
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