この春、街頭の人々を熱狂させ、ネット上でも大きな反響を呼んだイベントがある。店頭のショーウインドーで繰り広げられる“生着替え”ファッションショーだ。
3人の外国人ファッションモデルが、音楽に乗せて陽気に踊りながらショーウインドーに登場。“リアルマネキン”に扮し、その場で春夏のおすすめコーディネートに次々と着替えていく。
消費者はTwitterで自分の好きなコーディネートを投稿し参加する。投稿内容は、ショーウインドーの横に設置されたモニターにリアルタイムに表示された。現場に来られない人のために、動画配信サービス「Ustream」でネット生中継まで行った。
音楽に乗り、踊りながらその場で着替えるモデルたち。店頭の人だかりから起こる手拍子。そしてその様子がTwitterの投稿で拡散されていく――。
この衝撃的なイベントの仕掛け人はファーストリテイリンググループの姉妹ブランドである「ジーユー」。ユニクロの“やんちゃな妹分”として登場、20代女性をメインターゲットにしたブランドだ。イベントは、今年4月に東京・池袋東口店、5月に大阪・心斎橋店で実施された。
ジーユーは、遊び心のあるトレンドのファッションを驚きの低価格で提供し、若い女性の心をつかみ成長してきた。2006年のオープンから7年間で215店舗(2013年5月末時点)を出店。同じファーストリテイリンググループの「ユニクロ」と比較しても2倍のスピードで店舗を拡大している。
12年8月期の売り上げ規模は約580億円(前年度比180%)。13年8月期は、さらに4割増収の売上高800億円を目標としている。
テレビCMよりも早い!安い!
ジーユーが展開するO2O(オンライン・ツー・オフライン)は、消費者に驚きや感動の体験を与えることに価値を置く。「生着替えファッションショー」は、まさに見物客を興奮の渦に巻き込んだ。ネットメディアを使って、春夏コーディネートの認知を高めた。
ネットメディアの特徴である「リアルタイム性」や「情報拡散の速さ」を、リアル店頭の施策と見事に連携させている。イベントの告知から終了後に至るまで、すべてネットメディアを使った。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら