単なる企業や店舗からの一方的なクーポンの配信とは違い、消費者の反響、期待度が圧倒的に高いキャンペーンだ。人々の巻き込み方が尋常ではない。
「ビッグデータ」より店舗体験
今後のO2Oの世界では、「ビッグデータ」活用が重要になると言われるが、現時点ではジーユーは興味があまりない、という。これは意外だ。しかし、その理由は注目に値する。
「顧客の情報は、企業側、お客様の双方にとって大事なもの。提供していただくには、顧客に何かしらの負担を強いることになる。たとえば、登録作業やスマートフォンのWi-Fi設定をONにしてもらうなど。それよりも、むしろお客様にとって最もストレスのない状態で、ジーユーのアプリ、ソーシャルメディアを使って来店してもらえればいい。
店舗こそがブランド体験であり、最終的なファンを作る場となる。現場で、商品やお店を好きになってもらい、ジーユーっていいな、と単純に思ってもらえればそれでいい。お客様に無理を強いて情報をいただくよりも、ずっと良質なファンになってくれるはず」と萩原氏は力を込める。
O2Oの中で、ジーユーが非常に重要視しているのが、実は“オフライン”。つまり店舗での体験だという。
「結局、オフラインでの買い物体験や接客でしか、最終的にお客様が商品、サービスに触れる機会はない。顧客がオンラインで得た情報、それに伴う共感を、いかに店舗で最大限に高め、満足いただけるようにするかが重要だ」(萩原氏)。
なぜジーユーが毎月、O2Oのキャンペーンを連続して実施し続け、毎回数十万人という驚きの数の参加者に支持されるのか。月並みな表現にはなるが、どこよりも徹底した顧客目線を貫いているからにほかならない。
今後も当面、ビッグデータ活用の優先度は低い。「“顧客データ”よりも“顧客満足”を重要視していく」と萩原氏。
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