ジーユー、O2O型ショータイムの衝撃

「ビッグデータ」には興味なし!?

トレンドを作るのは、消費者

一部報道によると、現在、ジーユーのモバイル会員は、アプリ、メルマガ、LINEを合わせて約650万人、今夏までに1000万人を目指しているという。アプリの会員数、ソーシャルメディアのフォロワー数が増えれば増えるほど、それ自体が強力な自社メディアとなる。自社メディアの数が増えれば、コストを抑えた施策が幅広く展開できる。

「消費者にとって『お得で楽しい』という点をもっと広めていかなくてはいけない。それには、コンテンツを充実させることにつきる。毎回の“いたずら”をもっと魅力的なものにする。あるいは、頻度をさらに高める。頻度を高める場合、“いたずら”を一緒にやる人材を増やさなくてはならない」と長谷氏は話す。

競合が同じような施策を仕掛けてきたときに、どう差別化するかも潜在的な課題だが、ジーユーの姿勢はなかなかまねできるものではないだろう。

ジーユーにとって、O2Oという戦略は存在しない。技術革新で刻一刻とメディア環境は移り変わる。ターゲットとする顧客の消費行動や心理、メディアとのかかわり方は今後もどんどん変化していく。最適なメディアをつねに使い分け、深いブランド体験をしてもらうことがすべてだ。スマートフォンの次の世界、新しいデバイスが登場したときにどうするかも長谷氏の頭の片隅にある。

「もちろん、スマートフォンほど便利なツールはなかなかないので、当面は大丈夫だろう。だが、スマートフォンよりも最適なメディアが登場すれば、合わせていかなければ。なぜなら、僕らはトレンドを作れない。消費者のほうが早い。選択権は、お客様にこそある。僕たちは、ただ消費者に選んでもらえるように頑張るだけだ」。長谷氏の言葉に迷いはない。

ITの技術革新で、消費者はますます力を増していく。O2Oは消費者が主導権を握る初めての消費革命と言えるだろう。その本質を理解しているかぎり、ジーユーの快進撃は続くことだろう。
 

 

 

 

 

 

 

過去の連載が本になりました。『O2O新・消費革命 ネットで客を店舗へ引きつける』(東洋経済新報社)として発売中。Kindle版などの電子書籍も展開開始。

 

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