夢の「ロボット歯ブラシ」はなぜ10年かかったのか?大学発ベンチャーが直面する「ハードウェア」の成功が簡単でない厳しい現実
「ロボット歯ブラシ」というユニークなガジェットが発表された。
小さな箱に、複雑な形をした歯ブラシ(なんと14個も小さな円形のブラシがみっしりとくっついている!)がセットされている。この歯ブラシを口にくわえ、スイッチを入れると動作開始。ブラシは回転しながら左右に移動し、表と裏の両方から同時に歯を磨いていく。最短1分で歯磨きが終わる。スマホを見ながら歯磨きという親に怒られそうなシチュエーションでも、ロボット歯ブラシなら問題ない。
効果も折り紙付きだ。歯科医との共同研究の結果、歯垢残存率は平均22.4%と測定された。一般的な歯磨きと比較しても同等以上の清掃効果が立証されたという。
1日でクラファンの目標額をクリア
このロボット歯ブラシ「g.eN」(ジェン)は12月2日からクラウドファンディングサイト「kibidango」(きびだんご)で支援募集が始まっているが、わずか1日で目標額をクリア。2026年1月10日現在で支援額は2350万円にまで伸びている。
確かにちょっと欲しくなる人は多いのではないか。日常行為がちょっと便利になるガジェットには夢がある。
昨年、関西万博で注目を集めたのが「ミライ人間洗濯機」だ。カプセルの中に入ると、後は全自動で体を洗ってくれる。当初は展示だけの予定だったが、問い合わせが殺到し、販売が決まった。
この人間洗濯機というアイデアそのものは新しいものではない。1970年の大阪万博にも出展されていたというから、ロボットに体を洗ってもらえば楽というアイデアはずっと昔からあったわけだ。
思い返せば、筆者が子どもの頃に読んだ「みらいの社会」を描いた本にも、自動運転や人間洗濯機、家事ロボットなど、日常的作業をロボットが代行してくれる未来が描かれていたように記憶している。全自動歯ブラシもこの系譜に位置している。
そう考えると、むしろ「昔から存在するアイデアで、誰もが欲しがるガジェットなのに、なぜ今まで作られてこなかったのか」が気になる。AI(人工知能)や自動運転自動車や人型ロボットが実現しつつあるというのに、なぜ全自動歯ブラシは作られなかったのだろう。


















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