グローバルジョブというのは、特定の地域や国に閉じていない仕事のことです。地域や世界中で共通して行うような仕事です。たとえば、為替のヘッジなどの仕事は典型的なグローバルジョブです。それぞれの地域でやるのではなく、香港とロンドンにトレーダーを置いて、彼らに世界中の子会社分の為替のヘッジをまとめてやってもらいます。
グローバルジョブとしては、ほかに、財務・経理・R&D(研究開発)、IT/ソフトウエアの開発、(共用の)業務システムの開発・導入などがあります。
または、複数の国や地域をまたいで行うような管理や意思決定もグローバルジョブです。たとえば、世界中の子会社やブランドの管理であったり、世界中でリリースされる製品のプロジェクト・マネジメント、グローバルレベルでの人事、地域本社や世界本社での経営企画・経営の意思決定の仕事は、まさにそれにあたります。
日本人メリットがない場所で生き残れるか?
グローバルジョブの現場では、さまざまな国籍の人が働いています。たとえば、筆者(大石)がヒアリングしたシンガポールの本社で働いている人(日本人)は、上司はインド人、周りのメンバーは、シンガポール人、韓国人、フィリピン人……と、ばらばらです。そういう状況ですから、特別な理由がないかぎり、仕事では英語を使うことになります。
このように、グローバルジョブの最も大きな特徴は、国籍不問だということです。特定の国の文化や、ビジネス習慣にとらわれない、世界で共通する部分を担う仕事なのですから、当たり前です。
グローバルジョブにおける競争相手は、欧米のトップレベルのビジネススクールの卒業生や、インド人の数学の天才といった人たちです。これらの人々を相手に、結果を残すことだけで勝負をしていかないといけません。
日本人だから有利、日本人の特性を生かして、日本の文化をうまく使ってということが、グローバルジョブにはありません。日本人であることを前面に押し出してアピールすると、逆に「日本企業相手でしか使えない、日本市場関係の仕事でしか通用しない人材」と思われて、仕事の幅が限定されてしまいます。
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