エアバスも客寄せ、観光大国フランスの商魂

仏語オンリー脱却、英語や日本語も活用へ

かつてフランスでは、英語がわかっていてもフランス語しか理解できないふりをする、と揶揄されたものだが、「最近では国際公用語は英語と割り切って、観光客向けには英語できちんと応対するフランス人が増えた」(日本の大手旅行会社)。地方都市でも、英語やスペイン語と並んで、日本語のガイドマップや観光案内を見かけることすらあった。

シルヴィア・ピネル手工業・商業・観光業大臣は、「今や観光業におけるWeb活用(eツーリズム)は不可欠である」と話している。それはすなわち、英語が主言語であるインターネットを英語ともどもツールとして取り込むことが、フランス経済の活性化に欠かせないと認めたことを意味している。

地域ブランドを守り、観光ビジネスにつなげる

タルヌ県のさらに東側にはアヴェロン県がある。県内の村落を結ぶミヨー橋は、最も長い主柱の高さが343メートルで、斜張橋では世界で最も高い。

この橋を渡ってロックフォール地区に入ると、青カビチーズ「ロックフォール」の製造工場にたどり着く(写真は洞窟で製造・貯蔵されるロックフォール・チーズ)。山脈地下の天然の洞窟で製造・貯蔵される、フランス最古といわれるチーズだが、当地産のものしか「ロックフォール」ブランドを名乗れない。

シャンパーニュ地方産の発泡酒しか「シャンパン」を名乗れないのと同様で、フランスのワイン、チーズなど特定の食品には、アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(AOC、原産地呼称統制)指定があり、原産地だけでなくその製法・品質に至るまで厳しく規定されているからだ。

AOCで地域の特産物のブランドを保護することにより、周辺地域同士が同質商品のダンピング競争などに陥ることを回避している。むしろ「おらが町・村ならでは」の商品開発で、質の多様化に向けた競争を促しているのだ。

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