エアバスも客寄せ、観光大国フランスの商魂 仏語オンリー脱却、英語や日本語も活用へ

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地域の多様性は、周辺に行けば行くほど強まる。トゥールーズのあるオート・ガロンヌ県の隣、北東へ車で移動すると、タルヌ県に入る。

ミディ・ピレネー地域圏への観光に世界の関心が高まったひとつのきっかけが、県内にあるアルビの司教都市が2010年にユネスコ世界遺産に登録されたこと。この地域出身のロートレックの美術館もあり、歴史遺産と芸術作品が一度に楽しめる。

アルビの隣には城塞都市コルド・シュル・シエルがある。山全体を城塞として敵に備える一方で、中央に広場を設けて人や物資の交流の場とするなど、現代フランスにも通じる先人の知恵の宝庫であり、当時の風俗博物館もある。

また、ガストロノミー(美食)の見地からも見どころが多く、中世そのままの衣装で出迎えてくれるレストランや、国家最優秀職人章の表彰を受けたパティシエ、イヴ・チュリエス氏(写真中央)のいるチョコレート・ショップもある。

仏語重視にとらわれず、英語も日本語も取り込む

「日本人は美しい村にも関心が高い」(ゲラン総裁)ことから、日本におけるミディ・ピレネーのPR広告では、トゥールーズと並んでコルド・シュル・シエルを特にプッシュしているという。

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