トップ10%以外は意外と大したことがない?
コンサルや投資銀行で働く読者の皆様は周りにハーバードビジネススクール(HBS)出身者も多いと思うが、「意外と大したことないな」と内心思っている方も多いのではないか。
そういうことはハーバードとマッキンゼーに行ってから言え、というおしかりの声が聞こえてきそうなのだが、何を隠そう私もハーバードとマッキンゼーに行ったことがある。ただし正確にはHBSの友人を訪ねてクラスを訪問しただけなのと、会社がマッキンゼーの近くだったのでマッキンゼーの友人とランチ食べにオフィスにお邪魔しただけなのだが、実際の話、職業上、周囲にたくさんいるので、その経験から皆さんにお話しさせていただきたい。
確かにHBSでディスティンクション(上位10%の優等)などをとっている人は、すごいなこの人、という人も多い。実際、私の上司や友人・先輩の中にもこういう人が結構いるが、単に頭がいいだけでなく人格的にも立派な人が多い……と言いたいところだが、今のところ双方を兼ね備えて私が最も尊敬しているのは、某有名ベンチャーキャピタルファンドのT氏(HBS2年時に優等を獲得)くらいである。
立派な経歴の人が多いのは確かだが、多様性確保のためにマイノリティ採用の枠や(どうやら)家柄枠も結構ありそうなので(ちなみに日本の場合、昔は商社や銀行の会社枠も結構あり、ろくに英語もしゃべれないのにハーバード、という人もたまにいた)、毎年1000人くらいのMBAをとっていると、“全然すごくない人”も結構いる。
なぜ口八丁の人が多いのか
加えて、よく話す割に馬鹿げた自信家で、単に思い込みが激しいという人も多い。HBSでは、とにかくクラスで発言することが求められるため、考えている間にほかの学生に発言の機会を取られてしまう。そういう環境に2年間いたからか、とにかく話しながら考えるといった人も多いので、口数が多い割に非生産的な話になることも多い。おまけに「あなたたちは世界を変えるリーダーだ」とか吹き込まれているので、自信過剰で頑固な人も多い。
この点、東洋経済の最近のコラムでヘッドハンターの方が“私は多様性枠”と書かれていたが、自己開示される謙遜さからして、本物の実力と自信に謙遜さまで備わっておられる。さすがはわれらが東洋経済オンライン、コラムニストの人選は「グローバルエリートは見た!」を除いて間違ってないな、とあらためて感嘆した次第である。
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