ハーバードMBAの入試プロセス
さて、HBSに行った友人は大抵GMAT(ビジネススクール留学のために必要な学力試験。800点満点)のスコアは730くらいで(ここだけの話、640で入った人を知っているが、とんでもない美人だったのでやはりエコヒイキがあったのでは、と私は疑っている)、キャリア的には一流企業で出世コースに乗っていた人が多い。これは卒業後も順調に出世しそうな若者を選び、その人が成功することで学校の名声がさらに高まるからである。
また、上司からの推薦状が3通もいるので(実際は大半の人が自分で書いているのだが、少なくとも推薦者本人に送信してもらわなければならない)、過去および現在の上司と良好な関係を築いている必要があり、ソフトスキルや社内政治の機微に長けている必要がある。
そして、アドミッションオフィスの人は8000通くらい同じような退屈なエッセーを読みながら面接に呼ばれる人を選抜するので、ユニークでパーソナルな面白い話を書ける人が求められている。本当のところは一流どころのMBA卒にも意外と退屈な人も実際は多いのだが、これは入試準備で大いに他人の力を借りられるからだろう。ここだけの話、大半の出願者は100万円もの高額をエッセーカウンセラーに払って、カウンセラーがさんざんアイデアを出し、ネイティブイングリッシュで校正をかけてくれるのだ。
しかし、さすがはHBS。こういう書類審査だけでは見られない部分を試すために、入学審査官(アドミッションオフィサー)がわざわざ来日して面接するわけだが、ここで帰国子女が圧倒的に有利となる。
特にクラスでのディスカッションについていける英語力が試されるので、TOEFLで109点(満点は120点)という足キリすれすれの点数を10回受験してやっとこさ達成したあなたは、人生を変えるかもしれない大一番の面接を前にすでに上がりまくっているところに、早口のネイティブイングリッシュで畳みかけられて、受験戦線から脱落するのである。
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