2012年夏のロンドンオリンピックに出場したU―23サッカー日本代表監督を務め、44年ぶりのベスト4に導いた関塚隆氏。日本リーグの本田技研での社会人選手の経験を経て、早稲田大学サッカー部で監督のキャリアをスタートさせた関塚氏は、鹿島アントラーズのコーチ、そして川崎フロンターレの監督として輝かしい実績を残してきた。
若い世代のマネジメント手法をまとめた『見て、話して、ともに戦え』(文藝春秋刊)を執筆し、特に若い世代を育成してチームを勝利に導く「育てて勝つ」マネジメントに定評がある関塚氏に、新人マネジャーへのアドバイスを聞いた。
わたしが最初に指導者になったのは、本田技研に勤務していたとき。Jリーグの前身である日本リーグで本田技研の社員選手としてプレーしていたのですが、31歳で引退して、早稲田大学ア式蹴球部(体育会サッカー部)の監督に就任しました。
9年間勤めた本田技研では、工場の生産ラインに入っていたこともあります。このような社会人経験を通じて企業の組織を学んだことは、その後、サッカーの監督として選手のマネジメントをする際にも役立っていると思います。
たとえば、工場でモチベーションが低い同僚がいたときに、組織全体のムードがよくなくなってしまうことを感じていました。だから、監督としても一人ひとりの選手のモチベーションを注意深く観察して、なぜそうなっているのかを把握して、できるかぎり対処するようにしています。
みんなが顔を上げてプレーをして、目標に向かってチームが一つになって戦っていく。このような雰囲気作りは組織作りをするうえで意識していますね。
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