ロンドン五輪・闘将の「育てて勝つ」流儀

ロンドン五輪サッカー代表監督 関塚隆氏に聞く

選手との出会いが財産

監督生活の中では、個性の強い選手と衝突したこともあります。

しかし、そんな選手にも自分自身をさらけだし、人間としての信頼関係を築いていこうとつねに考えてきました。こちらの言葉が響くか否かは、監督と選手の人間関係によるものですから。

選手自身の成長のためには、他人の意見を受け入れることが大事だと思います。それをどう気づかせるか、うながしていくかが大事なことだと思うのです。こちらが言ったことが選手のなかで1になるのか、それ以上になるのか、それは選手次第なのです。

監督によっては、「とにかくこのチームでは自分の言うことに従え」と決める方法もあるでしょう。しかし、わたしの場合は、方向性はわたしが決めますが、プレーするのはあくまで選手なので、選手の判断力を養って、チームがうまく機能して勝つようなチームワークをつくっていくのが仕事だと考えています。

チームをファミリーにしていくことも大事です。選手同士が言いたいことを言いあっても、そのあとで関係が悪くなるのではなく、しっかりとした関係が構築できるようにしなくてはいけません。

オリンピック代表のチームでは、短い合宿期間でしたが、その月が誕生日の選手がいたら、夕食のあとでお祝いの場を設けたりといったこともやっていました。

ミーティングでも選手が思っていることを表現する機会をつくりながら、一方通行にならずにコミュニケーションをとって理解を深めていくようにしていました。

早稲田大学の監督時代に、監督としてのスタイルはある程度確立できたと思います。もちろん、今はプロチームの監督ですから、そのレベルは上がっていると思いますけどね。

早稲田大学の監督時代に出会った選手たちの多くは、今でもサッカー界に携わってくれています。ガイナーレ鳥取の塚野真樹社長や、私が監督時代にキャプテンを務めていた大倉智は湘南ベルマーレの強化部長になっています。監督としても、モンテディオ山形の奥野僚右、同じ山形でヘッドコーチをしている相馬直樹がいます。彼ら以外にも、トレーナーで活躍していたりといろいろなかかわり方をしてくれています。

大学の監督として、このような選手たちと出会うことができた経験は、わたしにとっても財産となっています。

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