大学2年生の冬、僕はこのアイデアを仲がいい4人の親友に打ち明けた。日本で、世界でいちばん楽しいサマーキャンプを企画しないか?と誘った。みんな、単純に日本に来たかったこともあったのか、すぐ企画にのってくれて、その夜から、GAKKOプロジェクトは始まった。どこか日本のきれいな島で、1週間だけ、最高に楽しい学校(GAKKO)が開きたい。GAKKOという日本語の響きをみんな気に入り、それがサマーキャンプの名前になった。
世界中のユニークかつクリエイティブな学生や社会人に、「もし1日だけ高校の先生になれるとしたら、あなたなら何を教えますか?」と質問して、面白い授業をしてくれそうな人を先生として呼ぼう。そして最後は、参加する高校生に、先生になってもらって、僕たちに授業をしてもらおう。ベネッセがスポンサーになってくれることが決まり、真剣さは増した。僕たちは、ウェブサイトの制作、ロゴ、Tシャツ、応募・選考方法、飛行機やホテルの予約、すべて自分たちでやった。もはや、自分たちの中では、大きなエンタープライズになっていた。
世界中から、30人の枠に対して、120人を超える高校生の応募、50人を超える大学生の応募が集まった。2012年、夏、瀬戸内海に浮かぶ小さな島、直島で、第1回GAKKOサマーキャンプが開催された。イェール、ハーバード生20人、高校生30人、世界中で活躍される6人の大人たちが、GAKKOプロジェクトの名の下に6日間の学校を開いた。
GAKKOプロジェクトは、その後、さらに拡大している。ヨーロッパの数々の大学からも応募が集まり、今年は8月1日から9日まで、小豆島で開催される。つい一昨日、高校生の応募受付も始まった。詳しくは、ぜひこちらのウェブサイトを見ていただきたい。
GAKKOプロジェクトは、イェールのキャンパスライフをフルに生かして、ひとつの大きな夢がかなった最初の体験だった。いろいろと大変なこともあったけれど、きっと一生忘れない思い出になると思う。
終わりに:海外で生きる意味
アメリカの大学進学から得られるものは、決して学歴だけではない。日本では決して得ることのできない人生経験、日本では絶対に会えないような友達との出会い、そういった、むしろ授業の外で得られるもののほうが大きいように思う。
しかし、日本では経験することがないであろう、いろいろな困難が待っているということも、あんまり大人が言わない事実だ。言葉の壁、文化の壁、人種の壁。しかし、それを乗り越えてこそ、人間として強くなると思うし、海外で生きる意味があると思う。日本から海外進学を考えている皆には、自信と根性を持って、頑張ってほしいと思っている。
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