東大・ハーバードになく、イェールにあるもの

イェール大の学生生活で、僕は何を得たのか

コンピュータサイエンスを専攻した理由

コンピュータサイエンス専攻を決めたのは、当時、自分のルームメートだったジェフリーの影響が大きかった。1年の2学期に、彼から進められたプログラミングの授業を取り、プログラミングをはじめとするコンピュータサイエンスに魅了された。

小学生のときから、マジックを趣味でやっており、大学生になってからはニューヨークやロサンゼルスでおカネをもらってショーをする機会も増えていた。マジックにトリックがあるように、プログラミングにも、たとえばウェブサイトの表面からは隠されているコードがある。ひとつのことを実現するために、限られた情報とロジックを組み合わせて、なるべくわかりやすく、速く動くコードを書く。この楽しみに気づかされ、僕はコンピュータサイエンスを専攻することに決めた。

現在、もう3年生も終わりに近づき、コンピュータサイエンス専攻を終えるべく卒業制作を考える時期になってしまったが、 イェールでの最初の1年半に、ありとあらゆる分野にわたる授業を取っていたおかげで、演劇とプログラミング、グラフィックデザインとプログラミングなど、いろいろな分野とのコラボレーションの可能性が開けていることに気づいた。今になって、最初の1年半、分野の垣根なくさまざまな授業を取れる環境にいたことの価値を再認識している。

飽きることがない課外活動と寮生活

イェール大は、2年生まで全寮制、そして3年生からは寮から出て、ほかの寮の友達とイェール大の敷地内にあるアパートで暮らすことも認められる。基本的に全校生徒が徒歩10分圏内に住んでいて、どの教室に行くにも、徒歩15分以上かかることはない。ガールフレンドができれば、寮が性別で分かれておらず、門限もまったくないため、ほぼ同棲生活になってしまうし、どんな嫌いなクラスメートとも、毎日どこかですれ違う。

寮には決まりはほとんどなく、朝起きるのも、夜寝るのも、勉強するのも、飲んだくれるのも、すべて生徒に放任されている。何か友達に伝えたいアイデアや面白いことがあれば、走ってその友達の部屋に行き、「よっしゃあ、これで起業するか!」と盛り上がったり、夜が明けるまで恋バナや馬鹿な話をしたりと、キャンパスライフは本当に飽きることがない。

(撮影:GAKKO Photographer: Florian Koenigsberger)

僕もこれまで、アメリカで小さな会社を起業してみたり、キックボクシングを真剣にやったり、サルサダンスのイェール代表チームに入ったりと、本当にいろいろな課外活動を体験させてもらった。これからもずっと大切にしていきたい、さまざまな趣味との出会いがありうれしい。

自分の将来のことを考えても、深い意味で、ずっとこういう環境に身を置き続けたいと思う。本当に仲がいい、自分の知らないさまざまなことを知っている楽しい仲間達とすぐ近くに住んで、毎日アイデアを語り合ったり、馬鹿話をしたり、将来について語ったり、そのような、今、当たり前のようにできていることを続けられる環境に身を置きたいと思わされる。でもきっとそうはいかないのだろう。卒業まで後1年、日に日に、毎日を宝物のように大切に、感謝して生きていくことの大切さを思い知らされる。

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