東大・ハーバードになく、イェールにあるもの イェール大の学生生活で、僕は何を得たのか

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通知表をまったく気にしないヒップスターに囲まれて

アメリカのほかのIVYリーグの生徒がイェールを特徴づけて話すときに、よく、ヒップスター、という言葉が使われる。日本語では、ヒップ、と使われることがあるかもしれないが、サブカルチャーに生きる、芸術的でちょっとアウトローな人たちの総称、と僕は認識している。

イェールは、IVYリーグの中で最も同性愛者の割合が高い大学だ。鶏と卵だが、その影響もあるのか、イェールの校風は極めてリベラルで、そのヒップスターたちが大勢存在する。僕は個人的に、このヒップスターたちから多くのことを学んだ。

イェールのヒップスターたちは、通知表をまったく気にしない。授業にはまじめに行くし、宿題もするが、他人が自分をどう評価するかということに、あまり関心がない。だから、自分がちゃんと学べていれば、それでいい。教授が自分にAを出そうがBを出そうが、そんなことは二の次なのだ。点数がすべて、そして他人の目をとても気にする日本の教育システムから来た自分にとって、この考え方はとても新鮮だった。演劇やグラフィックデザインの授業で一緒だったヒップスターたちと仲良くなり、彼らのライフスタイルと触れ合うことができたのは、本当に貴重な経験だと思う。

ハーバードとイェールで迷っていたときに、イェールに僕を引きつけたひとつの価値観は、もしかしたらこの、ヒップスターだったのかもしれない。自分も含めて日本の若者が、 彼らイェールのヒップスターから学ぶことは大きいと思っている。

イェールの友達とかなえた夢:GAKKOプロジェクト

イェールに進学したときから、僕には夢があった 。それは日本で、世界一楽しいサマーキャンプが開きたいという夢だった。自分も含め、海外の大学に進学を希望する高校生が増えている中、日本には楽しいサマーキャンプがない。高校生の夏と言えば、部活と塾、それが当たり前になっている。そんな夏休みでは、普段、学校で体験できないことが体験できるわけでもないし、僕自身、高校の夏休みは全然面白くなかった。

それに比べて、アメリカやヨーロッパの高校生は、夏休みの間にいろいろな楽しいサマーキャンプに参加する。日本でサマーキャンプというと、テントを張って、森の中でキャンプをする、といったイメージを持たれるが、このサマーキャンプはそういうものではない。普段集まることのない高校生たちを集め、普段の学校生活では体験できないことを体験する合宿形式の企画、それが、いわゆる外国のサマーキャンプだ。

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