「書を捨て、町に出よ」はおかしくないか?

読書と実務の正しいバランス

戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、 「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。
本を読むのと、経験を積むのと、どちらが仕事に活きるのか?(撮影:尾形文繁)

書生論に意味はないのか

先日、ある若手ビジネスパーソン向けのセミナーで、「書を捨てよ、町に出よう」という寺山修司の言葉を引き合いに、実務経験の重要さを訴える講演を耳にする機会がありました。

「町に出る」重要性は私も大いに首肯するところがあり、個人的にはとても満足して会場を後にしました。

そこまではよかったのですが、その後セミナーのアンケートを見る機会があり、印象がかなり変わりました。

アンケートでは「勉強している暇があったら、とにかく外に出ます!」とか「書生論を振りかざしても意味はなく、まずはいろいろな経験を積むことで頑張ります」といった内容で大勢が形成されていました。

そのアンケートの別の設問に読書量や勉強量を問うものがあったのですが、いずれの時間量もとても少なく(というかほとんどなく)、そのような内容と併せてみたときに「これは何かが間違っているのではないか」と強く感じました。

自分が普段、平均年齢が50歳を超える職場にいて、思考が年寄りくさくなっているのかもしれません。今の若者は……という中高年特有の加齢臭がにじみ出てきたのかもしれません。でも、その辺の予断も覚悟しつつ思い切って言うと、「そもそも勉強もしていないのに、いきなり外に出て何がわかるんだ」と、強く感じた次第です。

次ページ書を読むことに没頭する時期が必要
関連記事
トピックボードAD
  • 北朝鮮ニュース
  • 礒部公一のプロ野球徹底解説!
  • 育休世代 vs.専業主婦前提社会
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「脱ファッション」が進む<br>渋谷の街の最前線

渋カジ、コギャルなど若者ファッションの聖地だった渋谷。ここが100年に1度の大規模再開発で、オフィスや飲食店が増えアパレル店舗が減少しているのだ。来年エンタメビルとして生まれ変わるSHIBUYA109など、変わりゆく街の今を追う。