「書を捨て、町に出よ」はおかしくないか? 読書と実務の正しいバランス

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予備知識なく町に出ても、だらだらする

「書を捨てよ、町に出よう」というのは、そもそも書を読んでいる人に言っているのであって、書を読んでいない人がこのメッセージを額面どおり受け取って、いきなり現場に出るというのは何か違うと思います。

青臭い書生論は現場主義者から小馬鹿にされがちですが、そもそも青臭い書生論さえ貫けない人は、ストレッチできる幅は限定的ではないでしょうか。

世の中にある発想の大部分は、何もない状態から考えたというより、既存のものの組み合わせであったり、既存の仕組みにプラスアルファを加えたものだと思います。思いつく限り、自分や自分の身の回りで取り組まれたすべての新規事業は、例外なく既存事業の延長にありました。

そもそも新規事業に限らず、自分が知らないものは考えられません。報告もできませんし、指示もできません。意思決定もできません。

たとえばはやりの英語学習でもそうで、知らない単語は聞き取れません。語彙もないのにリスニングばかりやっても時間の無駄です。

そういう何もわからない状況、予備知識もない状況でとりあえず「町に出ても」、漫然とだらだらするだけではないかと感じます。

要するに「町に出る」ことも「書を捨てる」ことも頭ごなしに否定するつもりはないですが、ただしその前提として「書を読むことに没頭する」時期が必要だと思います。ビジネスでいえば、取り組む業務の座学であり勉強や分析です。

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