そして、資料をのぞき込んで「上司だからと気を遣うな。もっと、使えばいいんだよ」と、一部の仕事を自分でやろうとします。
先輩社員に聞くと、「Pさんも5年前は部下に対して厳しい人だったよ。体罰まではいかないけど、ついてこれないやつは辞めろ…とキツイ言葉を部下に浴びせていた」
とのこと。時代の変化に対応してマネジメントスタイルを変えようと、「率先垂範型」から「伴走型」にしようと、上司も努力しているのかもしれません。
箱根駅伝でも、「伴走型」が主流に
確かに、若手社員のマネジメントは「伴走型」がいいと言われるようになりました。仕事に悩む部下に対して、いつでもサポートできるようにそばで見守るスタイル。
余談ですが、伴走型マネジメントの必要性を象徴する出来事のひとつが、箱根駅伝における、監督による伴走の復活かもしれません。各大学の監督が、伴走する車から選手を激励する姿は、おなじみの光景です。ただ、2003年までは安全上の理由から禁止されていました。
それが選手への叱咤激励の必要性から復活。すると監督は昔のように「頑張れ」と叱咤激励するのではなく、給水ボトルを持って並走しながら「いいぞ」と応援するスタイルが主流になりました。これは大きな変化ではないでしょうか?
ビジネスの世界でも、以前であれば、上司は高いところから眺めていて「頑張れ」と叱咤激励するのが当たり前でした。ところが、そんな遠い距離から声を掛けても、部下の心には響かない時代になってきたのです。
ただ、そうは言っても、傍らに近づきすぎる上司が部下に疎まれることがあります。なぜでしょうか?
先程のGさんの上司は、「手伝う」とは言うものの、ITリテラシーが極端に低いため、相談するにも一苦労。システムの管理権限について説明しても理解できず、ソーシャルメディアを利用していないので、ささいな機能についても事細かな解説が必要になります。「やっぱり、俺には無理だ。あとは頼む」と頓挫することもザラで、仕事が混乱するだけでした。
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