ファミマ、外部からトップを招いた理由 海外で百戦錬磨、伊藤忠出身の中山・新社長に聞く

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セブン-イレブン・ジャパン、ローソンに次ぐ、国内コンビニエンスストア3位のファミリーマート。昨年までの11年間社長を務め、収益を劇的に改善させた上田準二・現会長が後継者に選んだのは、上田会長の出自である伊藤忠商事で長らく食糧畑を歩み、海外経験も豊富な中山勇氏。暮れも押し迫った昨年12月27日に発表。年明けの1月1日付で新社長就任という電光石火のトップ交代だった。
国内は消費の低迷が続き、コンビニは苦戦気味。だが、海外に目を向けると国内3番手のファミマも、中国や東南アジアを中心に、ローソン(約440店)をはるかにしのぐ約1万2700店のネットワークを持つ。海外で出店するファミマのパートナー企業の選定にかかわっていた中山氏が、外部からいきなりトップに起用されたポイントは、そこにある。中山氏はファミマという船の舵をどう取っていくのか。

打診を受けた2日後にトップ交代を発表

――電光石火の社長交代でした。

打診を受けたのは、わずか2日前の12月25日でした。伊藤忠系のある企業の取締役会に出ていたときに、上田(準二会長)さんから電話がかかってきました。それまで全く予想もしていなかったので、驚きましたね。

上田さんは伊藤忠時代の先輩です。「次はお前にやってほしいんだよ」と言われ、頭が真っ白になりました。「どんなスケジュールですか?」と尋ねると、「明後日(12月27日)に記者会見を開いて、1月1日に社長就任だ」と。「誰に相談すればいいか」と聞いたら、「伊藤忠で広報部長をやっていたんだから、想定問答ぐらいお前1人で作れるだろう」と言われました。ファミリーマートは約9300店の国内加盟店を持つ大手コンビニチェーンですから、これはえらいことになったと思いました。

――伊藤忠時代は食糧部門の経験が長かった。

1981年の4月に伊藤忠商事に入社してから、食糧部門で主に食用油脂原料の輸入を担当していました。食用油脂の原料となる大豆や菜種は相場商品ですから、原料そのものの相場に加え、為替や金利などのコントロールが必要で、かなり神経を使う、しんどい仕事です。米国の会社に出向していた時は、紅花油やサンフラワーを扱っていました。90年代後半にオリーブオイルの仕事をした何年かは大変楽しくて、イタリア、スペインに買い付けに出かけていきました。

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