ファミマ、外部からトップを招いた理由 海外で百戦錬磨、伊藤忠出身の中山・新社長に聞く
打診を受けた2日後にトップ交代を発表
――電光石火の社長交代でした。
打診を受けたのは、わずか2日前の12月25日でした。伊藤忠系のある企業の取締役会に出ていたときに、上田(準二会長)さんから電話がかかってきました。それまで全く予想もしていなかったので、驚きましたね。
上田さんは伊藤忠時代の先輩です。「次はお前にやってほしいんだよ」と言われ、頭が真っ白になりました。「どんなスケジュールですか?」と尋ねると、「明後日(12月27日)に記者会見を開いて、1月1日に社長就任だ」と。「誰に相談すればいいか」と聞いたら、「伊藤忠で広報部長をやっていたんだから、想定問答ぐらいお前1人で作れるだろう」と言われました。ファミリーマートは約9300店の国内加盟店を持つ大手コンビニチェーンですから、これはえらいことになったと思いました。
――伊藤忠時代は食糧部門の経験が長かった。
1981年の4月に伊藤忠商事に入社してから、食糧部門で主に食用油脂原料の輸入を担当していました。食用油脂の原料となる大豆や菜種は相場商品ですから、原料そのものの相場に加え、為替や金利などのコントロールが必要で、かなり神経を使う、しんどい仕事です。米国の会社に出向していた時は、紅花油やサンフラワーを扱っていました。90年代後半にオリーブオイルの仕事をした何年かは大変楽しくて、イタリア、スペインに買い付けに出かけていきました。
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