JT、マイルドセブンの終わりと始まり 「メビウス」に刷新、国内販売見通しは強気
マイルドセブン。国内たばこ市場でシェア3割、JTの国内販売で半分を占める。その旗艦ブランドが、ついに36年の歴史に幕を下ろす。
海外ではたばこの規制強化が進んでおり、「マイルド」は健康への影響を正確に表していないとして、規制の対象となる可能性がある。JTは、マイルドセブンの名称を「メビウス(MEVIUS)」に一新し、その懸念を払拭。国内では2月から順次、商品パッケージを切り替えて販売する。
シンガポールではすでに名称変更
マイルドセブンは規制が厳しいとされるシンガポールでは、すでに名称を変更している。もともと、85カ国で1307億本を売り上げる「ウィンストン」に比べ、「マイルドセブン」はアジアを中心に17カ国、765億本にとどまり、海外展開が遅れ気味だったこともあり、今回のブランド刷新は世界的な展開を見据えた戦略だ。
ただ、心配なのは国内での客離れだ。マイルドセブンには往年のファンが数多い。ブランド変更には「相当慎重なやり方をしている」(宮崎秀樹副社長)。JTはブランド刷新に先駆けて、2012年11月に、先行してパッケージを変更していた。今のところ、「新しいデザインには好意的な反応が多い。特に若い方にはプレミアム感、先進性があると評価されている」と宮崎副社長は言う。
国内での販売数量減を食い止めるため、JTは今期、販促費を積極的に投入。パッケージの刷新に伴う費用に加え、「コンビニでも良い売り場を確保するため、コストをかけている」(宮崎副社長)。「メビウス」の価格戦略については、「消費者がどう受け止めるかを考え、ブランド力と価格を見極めながら(値上げの可能性を)判断する」と慎重な姿勢だ。
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