ファミマ、外部からトップを招いた理由 海外で百戦錬磨、伊藤忠出身の中山・新社長に聞く

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――今回の社長就任も、海外での経験を見込まれて?

今後、1万店単位で伸ばしていくのは海外ですから、海外は重要ですね。中国は1000店を超えましたが、黒字化にはまだまだ時間がかかる。収益を出すにはある程度の規模が必要。今やめたら黒字化はさらに先に延びてしまうわけですから、積極的に出店していきます。

――国内の状況はどう見ていますか。

厳しいですね。消費に元気がない。自民党の安倍新政権になって、ムードはやや上向きつつありますが、実体経済で所得が増えている実感はまだない。基本に戻って、お客様が“いま”欲しがるもの、“昨日”欲しがっていたものではなくて、“いま”欲しいものを、お店にいっぱい広げて、お越しいただくのを待つということです。お店がきれい、サービスがきっちりしている、欲しい商品がちゃんとある。そんな基本動作の徹底しかないですね。

国内では基本をしっかり

――ファミリーマートは国内ではセブン、ローソンに次ぐ3位です。

「『追いつけ、追い越せ』よりも、まずはやるべき基本的なことをしっかりとやるのが大事です。今期、来期は積極的に出店しようと思っていますが、大手、中堅10社を合わせた国内店舗数は約4万7000店。飽和に近づいているのは確かです。野球に例えるなら、9回の裏のツーアウトまでにはなっていないと思いますが、試合の最終局面、かなり終盤に来ています。

勝負事って、終盤でよく動きますよね。特に両者が拮抗している場合には、最後に、あきらめたほうが大差で負けるんですよ。もしくは、実力差はあまりなくても、相手が手を抜いたすきに、逆転できることもある。われわれは3位だといったって、油断すれば4位も5位もありえます。気を抜けば大変な大敗もあるぞと、危機感を持っています。最終的には、商品にどれだけ付加価値をつけられるかが重要になってきます。

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