保育士の年度途中妊娠・産休は「無責任」か? 「自分なら生まない」…陰湿マタハラの撃退策
「仕事に責任をもって」「自分なら産まない」。妊娠したとき同僚からこんな言葉を投げかけられ、退職する道を選択した元保育士の投稿が、ネット上の掲示板で話題になった。
投稿者の女性は、5年前まで保育士として働いていた。年度の途中で自身の子どもを妊娠したため、出産直前まで働いて育休は取らないつもりだった。園長にも許可はもらったものの、同僚から「自分だったら産まない」、先輩にも「仕事に責任を持ってよ」と責められた。女性は迷った末、子どもを諦めきれずに退職して出産した。
投稿者は、「途中で担任を外れて迷惑をかけた子どもたち、保護者にも裏切って申し訳ない気持ちがあります」と自分を責めている。
たとえ本人が望んでいなくても
妊娠した女性が働きづらさを感じて、退職にまで追い込まれてしまう背景にはどんな事情があるのか。産休を請求することで出産予定者に職場に気を使わせないよう、出産予定者が請求しない場合でも、使用者に産休付与義務を認めることができないのか。寒竹里江弁護士に聞いた。
「産休・育休制度は、妊娠・出産・育児をする労働者に保障された権利であり、その制度や権利をどう利用するかも、原則的には当事者である労働者の選択に委ねられます」
寒竹弁護士はこのように述べる。労働者側が自分の意思で制度を利用しないことも認められるということだろうか。