限られた時間の中でも、役員たちにはひとつでも多くの場所に足を運んでもらいたいと思って作った、オリジナルの被災地見学ツアー。早朝の魚市場の競りも見てほしいと思い、朝の6時からぎっしり予定を詰め込んだ。
副社長の川邊健太郎は、個人的に何度も被災地に行っていたようだが、社長・宮坂は初めて現場に入ったようだ。ぐちゃぐちゃになってしまった沿岸部、老若男女が奮闘している仮設商店街や魚市場……。
役員たちは、津波の被害に遭った沿岸部ではじっとその風景に見入っていた。
そしてついに午後。弁が立ち、“語りたい”復興支援のキーパーソンが勢ぞろいし、強烈な会合がスタートした。
“笑っていいとも”形式で、よい筋のお友達紹介をしてもらった結果、豪華な顔ぶれが一同に会する「現地座談会」を実現することができたのだと思う。
特に、前述の松本さんは今回の座談会に、石巻日日新聞社長・近江さん、石巻観光協会会長で石巻グランドホテル社長の後藤宗徳さん、石巻商工会議所の副会頭・小笠原秀一さんなど幾人もの重要なキーパーソンを呼んでくれた。
ほかの地方も似ているかもしれないが、石巻では「石を投げれば知り合いにあたる」というくらい人間関係が密で、年代や立場の異なる人たちとの“縦のつながり”が重視される面も多い。
いわば、よそ者である僕らはフラットな立ち位置だったので、いくつもの縦のラインを持つ松本さんを通してだと、スムーズに話を通してもらえて非常にありがたかった。あいさつ状を添えた招待状をFAXで送った後、少しして確認の電話を入れるという、地元のエラい方々に“適した”連絡方法も教えてもらった。
座談会では、安宅和人執行役員自らファシリテーターを買って出てくれた。現地のキーパーソンの方々にヤフーに対して期待することを聞いていき、その中で、今やるべきことは何かを一つひとつ発表していった。
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