マッキンゼー出身で、復興庁政策調査官を務めた経験から、官民の復興支援に詳しい「RCF復興支援チーム」代表、“甘いマスクの同世代”藤沢烈さんからも、さすが情報通というアドバイスをもらった。
「中小企業含めて、東北はプロモーション、PRが弱いからそれをぜひ、ヤフーでやってほしい」
印刷会社・松弘堂の社長で、被災した会社34社で立ち上げた「元気復興委員会」会長、第3セクター「街づくりまんぼう」社外取締役、石巻日日新聞・社外取締役といくつもの顔を持つ、“石巻のアニキ”松本俊彦さんからも熱い要望をもらった。
「ISHINOMAKI 2.0」の代表理事・松村豪太さん、「オンザロード」理事で事務局長の伊知地亮さん、「東の食の会」の高橋大就さん、「ワカツク」渡辺一馬さん、「公益社団法人助けあいジャパン」の石川淳哉さん、「JustGiving Japan」佐藤大吾さん……。
ここで紹介しきれないのが本当に残念なのだが、多くのキーパーソンから貴重な時間をいただき、数々のアドバイスや言葉をいただいた。こうした方々にヒアリングしたことから、ヤフーの復興支援の柱は大きく分けると「EC」「情報発信」「ネット人材育成」へと固まっていった。
そして、2012年5月12日、濃密ヒアリングの集大成として「現地座談会」が開かれることになった。これはヤフーの役員と、ヒアリングさせてもらった地元のキーパーソンが一堂に会し、ヤフーが今度被災地で手掛けるプロジェクトの方針について発表し、最終確認をする”一世一代の場”である。
IT企業役員と、東北の重鎮を混ぜてみたら…
「いいじゃん!これ!」
女川の復興商店街の一角で、宮坂は歓声を上げた。現地座談会のために石巻入りした彼は、店の店頭に並んでいたTシャツや“シャカシャカ”ブレーカーを気に入り、いくつも買い込んでいた。
特に“シャカシャカ”を、寒がりの宮坂はすこぶる気に入り、石巻市の亀山紘市長にお会いするギリギリの瞬間まで嬉しそうに着込んでいたほどだ(広報が慌ててエレベーターの中でジャケットに着替えさせていた…)。
「現地座談会」は午後からだったので、午前中はヤフー役員と共に車で回り、現地を見てもらうことにしていた。“ツアコン”経験は皆無、締め切り前はいつも広報・安田からケツをたたかれる側の僕だが、今回ばかりは事前に分刻みの綿密なスケジュールを作成した。
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