昨年(2012年)4月、僕と須永(浩一・現復興支援室長)は立花さんが拠点にしている築70年という古民家に話を聞きにいった。
「東北にはまだまだプロデューサーが少ない。いわゆる“右腕”的なサポートをする立場でなく、“ツートップ”として何でもまとめられるプロデューサー的な存在が東北に必要だ」
「東北で小さな成功事例をいくつか作り、それを積み上げていくことが大事だと思う。そうすることで、勝手に“伝播”して広がっていくものだから」
「それをコツコツやっていくと、15~20年後、確固とした経済インパクトが出てくると思う」
いずれも非常に感銘を受けた話だった。特に成功事例の話は、東北の現状や本質を理解して活動している多くのキーパーソンが同様のことを語っていた。そして、宮坂もよく同じことを言っていた。
「東北できっちりやりたいなら、何でも広くやるより、現場に根気よく張り付いて、Focusして成功事例をしっかり作る。すると周囲がそれを自然にまねして広がっていく。もちろん、爆速でやれよ」
前述のブルース・リーのセリフも同様だ。宮坂は社員向けプレゼンテーションのときによく「Don’t Think Feeeeeeel」と書いていた。
「あえて考えない。そうするとふっと底から湧いてくる瞬間がある」
囲炉裏の暖かな火を前にして、立花さんは語った。東京から東北まで、自ら運転する車で人々を連れてくる最中、みんなが寝静まったときなど、ふとアイデアが湧いてくる瞬間がある。その湧いてきたものをしっかりつかんで行動するのだ、という。
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