(第6回)インターンシップ最前線(学生編)~インターンシップの本当の価値~

●意気揚々と、インターンシップに取り組み始めた私。

 仕事を体感するという意味でも、就職という面でも、金銭的な面でも、「何でみんなインターンシップやらないんだろう。こんなにいい機会はないのに。みんな馬鹿だなー」ぐらいに考えて、調子にのっていた私。(はっきりいって嫌なやつである…。が、この際、私の人格の話は横に置いておく。)

 突きつけられたのは、「まるで社会で通用しない」という現実だった。非常に優秀な先輩達がいたが、先輩達だって、プロの目から見たらまだまだだっただろう。しかし、その先輩達から見ても私のレベルは非常に稚拙なものだったのだ。

 実に恥ずかしい。

 先輩との差は何なのだろう。素質の差にすることはたやすいが、それ以外にも理由はあるはずだ。
 考えた結果、行き着いた結論は、
「学んだことをすぐに試し、結果を見ることができる実践の場がこれまであったか、なかったか」
ということだった。

 ここに至り、ようやく私はインターンシップの本当の価値に気付いた。
 インターンシップは自らの力を知り、更に学ぶ機会を得る最高の場であることに。

 文章にしても、ビジネスにしても、それなりにできるんじゃないか、と思っていた私は、でもその目論見の甘さの現実を知ることとなった。
 しかし同時に、残り1年少々、更に学び、自らを高める時間があることに感謝した。
 「試合のないスポーツ選手」は哀しいと思う。

 発表会のない音楽家や、読者のいない小説家、生徒のいない教師も同様だ。
 哀しいのには理由がある。

1)自分の力がどの程度か客観的な判断ができず、結果として
2)さらに良い作品を作る機会を失う。
からだ。仕事を体験できる。就職活動の時に大人の視点で物事を考え、話すことができる。インターンシップの種類によっては給料ももらえる。仕事を通じ、仲間もできる。それらの価値も大事ではあるけれど、私自身が最後に気付いたインターンシップの本当の価値は、自らを知り、自らを高める機会をいち早く得ることができる。という価値だ。

 学生時代というのは学び、自らを高める場ではないか。
 一人でも多くの人にインターンシップを体験してもらい、自分の至らなさを知り、学生時代の生活、そして学業や、研究をより実りのあるものにしてもらいたいと思う。

福井信英(ふくい・のぶひで)
慶應義塾大学在籍中にジョブウェブと出会い、インターンシップ生として働き始める。
大学卒業と同時に(株)日本エル・シー・エーに就職。経営コンサルタントとして、学校法人のコンサルティングに取り組んだことをきっかけに、2003年3月に(株)ジョブウェブに転職。
現在、新卒事業部の事業部長として、企業の採用活動のコンサルティングや学生を対象とした各種リサーチ、教育研修コンテンツの作成に取り組む。
1977年生まれ。富山県出身。
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